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被写界深度とは何か(2ページ目)

デジカメ用語の中でもいちばんよく使われるにも関わらず、一般のユーザーには分かりにくい『被写界深度』。この単語を知ることは、実は初心者脱出の第一歩となるのだ!

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

描写を考えて、撮影をするために……

さて、被写界深度が浅い、あるいは深いということはなにを意味するのか。
ピントの合焦する範囲が狭いとなにが起きるのか。
これも百語を費やすよりも、実際に見てもらえればすぐに理解できるはずだ。


下の写真に比べ、上の写真の薔薇は周囲がボケており、浮き上がっているのがわかるだろう。
つまり、中央の薔薇にだけ注目できるような描写になっているのだ。

被写界深度を浅くするとピントの合っている被写体だけに見ている人間の注目がいくというような効果が現れるのだ。
逆に被写界深度を深くすると全体にピントがあうようになり、全体を見渡せる写真となる。

こういったボケを操ることができるようになると、写真の中に自分の意図を落としこめるようになっていく。
すなわち、『描写』ができるようになるのだ。

写真の中に自分の意図を落としこむこと──描写をすることが「写真を撮る」という行為の第一歩になるわけだ。

どうすれば被写界深度は変化するのか?

さて、『被写界深度』は光学的に計算ができるものであるが、ざっと下記のような傾向があると考えてもらえればいいだろう。

E-1 F3.5 1/2000秒
E-1 F20.0 1/40秒
パラメータ\被写界深度浅深 レンズ望遠広角 露出開放絞る 被写体の位置近い遠い
できるかぎり絞りの数値を小さくし、できるかぎり望遠側で撮影し、かつ被写体を近くにおくようにすれば被写体以外の背景がボケるようになるわけだ。
基本的には、絞りを開放(数値を小さくする)すれば、より『被写界深度は浅く』なり、背景がボケるようになる……と考えてもらえればいいだろう。

ただし、ただ単に『被写体深度』を浅くしたところで大きな意味はない。
撮影者の意図をその中に落としこまなければ、いくら背景をぼかしたところでなんの意味もないのだ。

さて、フイルムで撮影する場合はこの3点に気をつければ、被写界深度──つまりボケを扱えるようになる。
しかし、デジタルカメラの場合はもうひとつ大きなパラメータが存在する。

というより、ほとんどのデジタルカメラにおいては他のパラメータを無視できてしまうほどの問題となる。
そのデジタルカメラ独特のパラメータとは?
Page3へ)
Page1 被写界深度とはなにか?
Page2 撮影とは意図を描写するということ
Page3 デジカメはボケが苦手?
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