尾行されるということ
5月6日に行われた被害者の葬儀には約400人が参列しました。誰もが「なぜ」という思いでいっぱいでしょう。そして、このような凶悪な事件が発生するたびに誰もが「二度とこのようなことがないように」と願うものです。浅草駅近くの交番で、友人が参加するブラジル柔術の大会の会場への道順をたずねてから、「江戸通り」(国道6号)をまっすぐスポーツセンターへ向かって歩いていたところ、墨田公園の抜け道になる幅3メートル、長さ約20メートルの細い路地で襲撃されています。
休日の午前中で、人通りもあまりなかったことでしょう。初めての道でひたすら会場へと歩いていた…。そんなときに突然、後ろから声をかけられたら誰でも驚きます。しかし、その驚いた顔が殺意を起こさせるなど、だれに想像できるでしょうか。
「尾行」という言葉があります。文字通り、「人の後をこっそりとつけていくこと」です。おそらく犯人は足音のしないスニーカーのようなものを履いていたのではないでしょうか。ハイヒールや革靴なら足音がして、人の近づく気配がわかるものです。
痴漢や通り魔はほとんどが後方からくると思って間違いありません。悪いことをしようとするものは直前まで気づかれないようにと、後ろから接近することが常套手段なのです。また、前方から来る人物に注意していなければ、やはりすれ違う瞬間まで気がつかないものでしょう。
人は普段、後ろにはほとんど気を配っていないことが多いようです。友人などとのつきあいでも、後ろからいきなり「わっ」と驚かされることがあるはずです。歩いていて突然何かを思いだして立ち止まったり、後ろを振り返ったときに、すぐ間近に人がいてギョッとすることも経験したことのある人は多いと思われます。
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