2度目にして最後の移転、「まとの」
店は北門前通りにあります
秋もたけなわの京都。古都の紅葉を求めて全国から観光客が集まりますが、中でも東山の高台寺周辺は紅葉だけでなく、しっとりとした京情緒溢れる小路が入り組んでいて、地元民をも惹きつける京都の中の京都と言ってもよい界隈です。当然、実力ある割烹・料亭も数多くひしめいている訳ですが、このエリアの「北門前通」に今年3月31日、とっておきの和食店が移転して来られました。
その名は「
まとの」。今年46歳になられたご主人、的埜直記さんが1996年北山の大宮通で独立開店以来、10年目に建仁寺へ移転、それから5年、自らも「これが最後の移転です」とおっしゃる2度目の移転が今回のお店なのです。
八坂神社側の下河原通から坂道を上がってもよし、高台寺側の「ねねの道」から下ってもよし、まっこと風情のある「北門前通」の中ほど南側に、ともすると見逃しそうな「まとの」と書かれた小さな角行燈がひっそりと置かれています。
このアプローチが風情を醸し出す
そこからふと眼を上げると細くて長い京都の町家ならではのアプローチ! 迷宮に入るがごとくに等間隔に置かれた行燈を頼りに奥へ奥へと進むと玄関に到着です。上品なお香の焚きしめられた玄関で、たおやかな和服姿の奥様が満面に笑みをたたえて出迎えてくださいます。
木の温もりが感じられる、落ち着いた店内
お部屋は1階奥のお庭の見える8畳の和室と、玄関左横のテーブル席の6畳の個室、それに右手にカウンターが5席あり、2階にも法事などで使える12畳の和室があります。
次ページより、
夜のコースをご紹介します。