栄養管理/たんぱく質

動物性蛋白質・植物性蛋白質の効果・役割・不足(2ページ目)

私たちの体の約20%はたんぱく質、60~70%は水分からできています。たんぱく質はとても大切な栄養素で三大栄養の1つです。私たちが食べるたんぱく質には、「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の二つがあります。それぞれの役割や効果などを説明します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

植物性たんぱく質の効果・役割

パスタ

豆・豆製品だけではなく、パスタなどにもたんぱく質は含まれます

植物性たんぱく質は、豆腐やピーナツバターなどの豆・豆類に多く含まれることが知られていますが、パン、ご飯、麺、野菜や果物にも含まれています。植物性のたんぱく質は、動物性たんぱく質と比較して体内での利用率がやや劣り、食べた植物性たんぱく質の70~90%が使われます。これは植物細胞壁や繊維質などによるもので、酵素などへの抵抗があるためです。生で食べる場合も体内での利用率が下がります。

動物性たんぱく質を食べない菜食主義者でも、きちんと栄養管理を行えば、十分なたんぱく質・必須アミノ酸を摂取することが可能です。動物性たんぱく質の代わりに、植物性たんぱく質をよく摂取する人は、コレステロール値などが良好な場合が多くみられます。植物性の食材にはコレステロールが含まれず、飽和脂肪酸の含有量も低いためです。動物性の代わりに植物性のたんぱく質を摂取することで、腎臓病の進行を遅らせる可能性があるとも考えられています。また糖尿病の人が動物性たんぱく質の代わりに大豆や大豆製品などの植物性たんぱく質で代用すると、糖尿病性腎症になるリスクを下げるという報告もあります。なお、妊婦、子供、高齢者の場合、植物性たんぱく質だけでは栄養を十分にとれない可能性があるので厳重な注意が必要です。

植物性たんぱく質の不足

植物性たんぱく質の摂取が少なくても、動物性たんぱく質でその不足分を補うことができます。ただし、アミノ酸スコアや必須アミノ酸の観点などからも、植物性たんぱく質も適度に摂取することが大切です。

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