産後プレ・リカバリー期(産後1ヶ月)
簡単エクササイズ (ファーストステップ編)
布団やベッド上で呼吸を意識することから!
呼吸を意識して行うだけですが、出産してすぐのカラダは、それさえもなかなか集中できない事があります。産後のカラダの状態は千差万別。かかりつけの医師と相談の上、無理なくスタートさせましょう。
下記の3つを紹介していきます。
・呼吸を意識する『コア・アクティべーション』
・骨盤を動かし、呼吸を深める『ペルビックチルト・ブリージング』
・呼吸にかかとの動きをプラスした『ヒールスライド』
出産したその日からできる
『コア・アクティべーション』で呼吸を整えて!
カラダのインナーマッスルを呼吸で穏やかに目覚めさせましょう。不安定な気持ちも安定しやすくなります。呼吸を行うだけですが、全ての動きの土台となると考え、意識して行ってみましょう。1. (基本姿勢)
仰向けで膝を立て、脚は腰幅位にとり、手をカラダの横の楽な位置に置きます。
出来るだけカラダがまっすぐになるように、センターラインを整えましょう。
肩に余分な力が入らないように、リラックス。
基本姿勢から、手を胸の下あたりに置き、肋骨を触ってみましょう。
その時、肋骨が外方向へ広がっていくのを手で感じましょう。
その後ゆっくり息を口から吐きながら、広がった肋骨を寄せてくるように戻します。
1から3を数回繰り返します。
息を吐く時に、手の重さでお腹が押され、だんだん小さくなっていく感覚をつかんでみましょう。
肋骨が大きく動くことで、肺も大きく動き、深い呼吸が出来てきます。妊娠中、お腹が大きくなっていたことで、胸郭が張り出していたため、産後も肋骨が不安定になっている場合が多くあります。特に吐く息に意識を向けながら、ゆっくりしっかり吐き、その時に肋骨をセンタ―ラインに戻してくるようなつもりで呼吸してみましょう。
吐くときに意識を高く持つために、「シー」「スー」など、声を出してみるのも良いでしょう。
呼吸が意識出来てきたら、息を吐く時に、骨盤底の筋肉を軽く引き締めるジップアップの意識を持ち、弱くなっている筋肉をコントロールして使う練習を入れていきます。
ジップアップを意識して、骨盤底筋を整える
骨盤底筋には肛門、膣、尿道の3つのポイントがありますが、肛門の方からその3つのポイントを通って、ジッパーを膣の方向に向かって引き上げていくようなイメージをもってみましょう。産後の疲れた骨盤底が、又少ずつ起動してくるようなイメージで。骨盤底筋群を意識することで、骨盤内の血流が促進され子宮の収縮にもつながっていきます。子宮がだんだん元の状態に戻っていく時痛みがありますが、徐々に収縮しているサインでもあります。ジップアップのイメージがつかみにくい時は、トイレに行くのを我慢するような感覚を意識してみましょう。
回数は特に決まりはありませんので、思いついた時に、いつでも意識した呼吸に変えてみて下さい。
次ページでは「腰まわり」をほぐしていきましょう。
骨盤の動きで呼吸をもっと意識!
『ペルビックチルト・ブリージング』で腰まわりをほぐす
骨盤を傾け、深い呼吸を意識しましょう。妊娠中お腹が前にせり出すことで腰が反り、腰痛になったという人もかなり多いものです。固くなっていた腰の筋肉をほぐすように骨盤を傾け、動かしていきましょう。1. (スタートポジション)
仰向けで膝を立て、脚は腰幅位にとります。
出来るだけカラダがまっすぐになるように、センターラインを整えましょう。肩に余分な力が入らないように、リラックスします。
スタートポジションで ジップアップ(骨盤底の引き上げ)をして、息をゆっくり鼻から吸って準備をします。
1と2を数回行います。
お腹がテーブルのように安定している
状態にしましょう。
↓
肩の力は抜いたままで、腰の軽いストレッチも感じてみましょう。
(おへその後ろは床につけたまま。)
両足の幅や両膝の幅は、だいたい腰幅くらいで、行いましょう。
両足のすねを平行に保つように安定させます。
脚を閉じて行う事で、より骨盤底や内ももを引き締める感覚が持ちやすくなります。
ジップアップし続けることが難しい場合は、骨盤を傾けた時にしっかり息を吐き切るだけでも良いでしょう。
次ページでは「身体のセンターバランスを整える」方法を紹介します。
かかとの動きをプラスしてセンターバランスも取り戻す
『ヒールスライド&アームワーク』で関節をスムーズに
股関節、膝関節、足首の関節をコントロールして動かし、かかとを滑らせるように動いていきます。脚を心地よく伸ばしながら、肩関節もゆっくり動かしてみましょう。1. (スタートポジション)
仰向けで膝を立て、脚は腰幅位にとり、スタートポジションを整えます。出来るだけカラダがまっすぐになるように、センターラインも整えましょう。
肩に余分な力が入らないように、リラックスします。そこから※ジップアップ(骨盤底の引き上げ)をして、息をゆっくり鼻から吸って準備をします。
足の裏全体で重い空気を押すようなつもりで。
(<2> の左足の状態 )
右足を動かしている時に、左のひざがグラグラしたり、足の親指が上がってこないように。肩はリラックスさせます。
左足をしっかり安定させて行いましょう。
伸ばしきった時、右足のつま先や膝が天井の方を向くように、足首は曲げておきます。ふくらはぎの心地よい伸びも感じましょう。
・お腹や内ももの力が抜けて左脚の膝が外側や内側に倒れたり、不安定に揺れる。
・足の裏や足指が、安定が崩れ浮き上がる。
その時もカラダを安定させておきましょう。
反対脚も同じ動きをし、1から3を数回繰り返します。
右脚をスライドする時に左手を片手で万歳を作るように、脚と一緒にゆっくり上げていきましょう。
その時に、左肩が耳に近づかない様、両肩の高さを揃えておきます。吐きながらゆっくり手と足を元の位置へ戻します。
左右バランスよく、体幹の安定を意識しながら反対側も行いましょう。
カラダのセンターラインを感じながら、腰をそらせないように気を付けます。
出産した日から1週間、何もしないでいるのと、疲れが出ない程度にコントロールしながら動くのとでは、子宮の戻りなどカラダの回復スピードや、気持ちの安定度も違ってきます。
赤ちゃんとの新生活に、プレ・リカバリーのエクササイズもスタートさせ、無理なく心地よく過ごせる土台を作っていきましょう。
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