今日もどこかのシステム開発現場でトラブルが発生しています。トラブルには様々な原因がありますが、多くは人間関係に起因。プロジェクト経験が少ない管理職や発注側はこういった現状を知りません。プロジェクトが成功するかどうかはプロジェクト・マネージャーの腕しだい。プロジェクト・マネージャーがどうマネジメントすればよいか注意点をみていきましょう。
 

小さなトラブルこそ適切に対応する

トラブルを適切に対処しないと赤字プロジェクトに

トラブルを適切に対処しないと赤字プロジェクトにITベンダーの経営で難しいのがプロジェクトの損益管理。プロジェクトが儲かったかどうかはプロジェクトが終わってみなければ分かりません

ITベンダーの経営で難しいのがプロジェクトの損益管理。プロジェクトが儲かったかどうかは、終わってみなければわかりません。

もちろんプロジェクト・マネージャーは進捗管理、予算管理を行ってプロジェクトが黒字になるようマネジメントします。ところがシステムテスト段階で基本設計に立ち返るような手戻りが発生すると、納期遅れを最小限にするため、人やお金を投入しなければなりません。そうすると一気に赤字プロジェクトへ転落します。

さすがに大幅な手戻りが発生するトラブルは頻繁にありませんが、小さなトラブルは日常茶飯事。プロジェクト・マネージャーは小さなトラブルを適切に対処しないと、品質や納期に影響を少しずつ与え、結局は赤字プロジェクトになってしまいます。

トラブルの原因は人間関係に起因

トラブルの原因は人間関係に起因

トラブルの原因は人間関係に起因

プロジェクト終了後、赤字プロジェクトの原因を分析すると、見積もりがあまかった、品質管理が不十分だったなどいくつかの原因がでてきますが、これは本質的原因ではありません。優秀なプロジェクト・マネージャーに変えて同じ開発メンバーで同規模プロジェクトを開発すると、きっちり黒字になります。つまり、原因の多くは人間関係のマネジメントに起因しています。

見積もりがあまかったのは、営業と技術者の人間関係の問題。品質管理が不十分というのは技術者と管理者の人間関係の問題。原因をわずらわしい人間関係の問題でなく技術的なものとしているのは、あとあと面倒が起らないためです。

プロジェクト運営の基本は人間関係です。人間関係をうまくマネジメントできるかどうかはプロジェクトマネージャーの腕しだい。外注先を含めた開発メンバー、マネージャー、営業、顧客が緊密な信頼関係で結びついていればプロジェクトは成功します。

間違いやミスを容認する雰囲気を開発チームに作る

他のメンバーの前で失敗を叱責しない

他のメンバーの前で失敗を叱責しない

時々、他のメンバーの前で、担当者の失敗を声高に攻めているプロジェクト・マネージャーがいますが、おすすめしません。

間違いやミスが許されない雰囲気がプロジェクト内に熟成されてしまうと、担当者は消極的になり悪い報告がプロジェクト・マネージャーにいっさいあがってこなくなります。想定外のバグが出てテストが予定通り進んでいなくてもプロジェクト・マネージャーに報告すると怒られるのでテストは順調と報告してしまいます。

問題が蓄積され納期遅れになりつつあっても知らないのはプロジェクト・マネージャーだけ。結局、プロジェクト終盤に時限爆弾のように諸問題が吹き出し、プロジェクトが火を噴くことになります。

どんな人もミスを犯し失敗します。ミス、失敗があれば担当者に報告させ間違いを責めず、なぜその失敗が起きたのか担当者と話しあうことです。目的は、担当者が同じ失敗を起こさないことと、他のメンバーにも原因を伝えて同様の失敗を防ぐため。マネージャーは答えが分かっていても言わず、担当者に考えさせなければ人は育ちません。

また自身が若い時に起こした失敗例を、さまざまな機会を活用しメンバーに伝えることも大切です。プロジェクト内に間違いがあっても、その間違いについて話せる雰囲気を作り上げていきます。

もちろん担当者が同じ原因で再度、失敗してしまった時は叱責する必要がありますが、他のメンバーの前ではなく担当者だけの時に叱責します。なぜ叱責するのか理由を担当者へしっかり伝えなければなりません。担当者のポカミスでなければ、原因が本質的原因でなかった可能性があります。トヨタのカイゼンでは「なぜ?」を5回繰り返すことで本質的原因にたどりつくことを徹底しているように、叱責前に本質的原因だっかたどうか検討した方がよいでしょう。