心理療法でも重視される「触る効果」
「箱庭療法」は砂で遊ぶだけでも癒される
たとえば心理療法の一つに、箱庭を使った砂遊び「箱庭療法」があります。この療法は、箱庭という限られた砂場に自由にミニチュアのおもちゃを置き、自分自身の内面を表現して味わう心理療法です。
童心に返ってミニチュアのおもちゃを置いて遊ぶのもなかなか楽しいものですが、この箱庭療法が愛され続けるのは、肌に気持ちいい砂の感覚が心を癒してくれるからでもあるのです。細かな粒子の砂が指の間からこぼれていく感覚、べたつきもせず冷たくもないサラリとしたきれいな砂は、触れているだけで日常を忘れそうになります。
箱庭療法だけでなく、肌の感覚に着目した心理療法はいくつもあり、私自身、粘土を使った造形のセラピー技法を学習したことがあります。自分の内面は言葉で説明するより、砂や粘土をいじりながら形で表す方が、如実に表現できるのかもしれません。気持ちのよい触り心地に導かれると、より素直に自分の内面が表出できるのでしょう。
「触る癒し系グッズ」を携帯するのもよし
握った感触に癒され、ヘンな顔に笑ってしまう「カオマル」(All About stylestore)」
たとえば、私は小学生のころとても緊張しやすい子どもだったのですが、生徒の前で教科書を読む前などには、いつもポケットに入れていたお気に入りのミンク毛のブローチを触り、少し緊張を和らげていました。今では(冬限定ですが)、カシミアのマフラーが私のお気に入りアイテムです。仕事中、首の周りに巻いているととても気持ちが落ち着いて、イライラした気持ちを少し和らげてくれます。
また、私が最近注目している「触って気持ちいい」癒し系アイテムには、握れる顔人形の「カオマル」があります。感触がプニプニして気持ちいいだけでなく、握ると顔がヘンな形に変わって面白く、一瞬嫌なことを忘れてしまいます。こうした触って癒される癒し系グッズには、色々なものが出ていますので、ショップを覗いて探してみるのも楽しいかもしれません。
お気に入りを見つけたら、「イライラ、緊張時のマイ・レスキュー」としていつもバッグに忍ばせておくのも、よいストレスケアになるのではないかと思います。