つい子どもやペットを抱っこしたくなるわけ
つやつやな毛であたたかいペットは思わずギュッとしたくなる!
大きなストレスを感じると何かに触りたくなる……これは多くの人間に見られる自然な情動のようです。私の母はコンサートを聴いていた途中にあの新潟県中越沖地震が起こり、演奏も一時ストップするほど会場が大揺れとなったそうですが、「その瞬間、左右の観客と手を固く握り合った」と言いました。
私自身、仕事から疲れて帰ってきたときなど、いつもより子どもを膝の上に乗せて抱っこしている時間が長いような気がします。「ストレス社会」と言われている近年では、触ったり抱っこしたりして「気持ちいい」と感じるペットを飼うのが人気です。(社)ペットフード協会の調査によると、2009年の全国の犬・猫の飼育頭数は22万頭以上に上ります。
ウソを見破るためには「手の動き」に注目
ウソを見抜きたいなら向かい合って手の動きをよく見るべし
臨床心理学者の山口創氏は著書『子どもの「脳」は肌にある』(光文社新書、2004)で、面接で緊張する質問をされた人の方がセルフタッチが多い、幼児の指しゃぶりがストレスを感じる場面で増えるといった研究結果を紹介し、セルフタッチが多い人は緊張やストレスを抱え、欲求不満で心が不安定になりやすい人であるということを述べられています。
また、人はウソをつくときにもよく顔をこすったり、腕組みをしたりしてモジモジし始めます。これは、ウソをつくときの表情や手の動きを制したいためであるとともに、「ウソ」という後ろめたい行為に緊張を感じ、つい自分の体に触ってしまう無意識的な行動だと言われます。
誰かに真偽を問いただす場面では、言葉だけでなく手の動きにも注目した方がいいのかもしれません。やたらと顔を触ったり手に落ち着きがなくなっている場合、「どうしてそんなに手を動かすの?」と一言聞いてみてはどうでしょう? 相手は急所を突かれ一瞬でタジタジになってしまう、かもしれませんね。
次のページでは、「触る効果」について解説します。