ファミリー向けの分譲マンションは皆無なのが銀座エリアの特徴
写真はイメージです。
総戸数181戸、25階建てのタワーマンションで、有楽町線「銀座一丁目」から徒歩4分、銀座三越のある4丁目交差点へも徒歩9分(720メートル)という好アクセスです。キャッチコピーは
My address is GINZA ~銀座が夢でなくなる日~
誰もが知っている街の、まだ誰も知らない暮らしが始まる
何とも照れくさいフレーズですが、それだけのポテンシャルを内包していたのが銀座タワーでした。第一期(2001年11月)から最終期(2002年2月)までの総来場組数は約7000組で、登録総数は1504件に達しました。登録者の年代は30歳代、40歳代、50歳代いずれも24~26%と偏りなく、幅広いのが特徴。さらに、現在の居住地は61%が東京都でしたが、地方圏も約9%いました。
好調な売れ行きについて、事業主である三菱地所は「銀座エリアでのマンション供給自体がもともと少なく、加えて、タワーマンションというランドマーク性が人気(完売)の要因 」と分析します。「マンションは立地を買え」という教訓を身をもって体現した、いい意味で珍しいマンションと言えるでしょう。
平均坪単価は約250万円 定期借地権をどう考えるかで評価は二分
実は、銀座タワーにはもう1つの特徴があり、期間50年の定期借地権付き分譲マンションになっています。平均坪単価は約250万円。たとえば、8階北向きの2LDK(75.77平米)であれば、坪単価は187万円、販売価格4300万円という“お値打ち価格”で手に入れることができます。この価格設定は、今でこそ人気エリアとなった江東区・豊洲に比肩するレベルです。この当時、私ガイドが賃貸生活をしていたら、ぜひとも購入したかった貴重なマンションです。ただ、難点としては50年後に建物を取り壊し、地主に返還しなければなりません。また、毎月の地代(坪1900円)も気になります。前出の2LDKの場合、およそ4万3500円を管理費などとは別に毎月負担しなければなりません。かなりの支出となります。単純に分譲単価だけではコストバランスの良しあしを判断できない難しさが、定借マンションには内在します。
ここで、改めて「銀座らしさ」「銀座スタイル」とは何なのでしょうか?――
「本物」「上質」「洗練」…… 銀座に暮らす喜びは、都心でのスタイリッシュな生活の実現に収斂(しゅうれん)されることでしょう。ファッション(衣)やグルメ(食)が先行している感はありますが、銀座には「衣・食・住」の「住」においても比類ない魅力があります。
伝統と先端文化が上手にバランスを取りながら併存するこの街は、ファッションにおいて「ラグジュアリー」と「カジュアル」が融合点を模索しているように、住まいにおいても「古きよき街並み」と「先鋭なアーバンライフ」をいいとこ取りできる利点があります。歴史に裏打ちされた街の成熟度と、洗練された住空間が「銀座スタイル」を醸成し、日常さえもドラマの1シーンに変えてしまいます。心の豊かさを満たしてくれるエッセンスが「銀座らしさ」というわけです。
いつの時代も変わることのない羨望の街 「銀座」―― 機会があれば一度は暮らしてみたい魅力的な街です。