3.開発工程を管理し問題を早期発見
中国と日本では品質管理など仕事のすすめ方が違う
文章だけで伝えられないので、UMLなどを使ったモデリング技術を活用するのも重要。要所、要所で議事録を記録し双方で確認することも大切です。短い簡潔な日本語にし、和製英語やカタカナなどは使わずコンピュータ用語は英語で記載します。期間など数をしっかり書き、見ればわかるよう図表を活用します。
またレビュー回数を増やして問題の早期発見することも重要。開発プロセスの節目節目で、きっちり品質などをチェックできる体制を構築しておくことが大切です。ただ頻繁に現地へ行ったりしていては経費がかかるばかりなので、テレビ電話やスカイプなどで担当者レベルでのコミュニケーションが確保できるよう工夫しましょう。
中国と日本では仕事の進め方も違います。中国ではシステム開発チームから独立した品質保証チームが存在しテストを行いますが、日本ではプログラマやSEが自らテストします。発注企業にあわせた業務アプリケーションを作る場合が多いため、細かな仕様を熟知しているSE自らテストする方が効率的だからです。
オフショア開発を中国のパートナー企業に出す日本側は、開発工程の違いやそれぞれの意識の違いを熟知して管理しなければなりません。中国企業とは一度きりの取引でなく長年のパートナーとなりますので、日本側中国側双方、一人ひとりの意識向上という地道な改善の積み重ねが必要。日本側も中国のパートナー企業に日本語を覚えさせるだけでなく、自ら中国語の勉強をするぐらいでなければなりません。
4.個人情報はわたさない
解雇の腹いせに機密情報が持ち出されることも
リーマンショックで日本のソフト需要も瞬間蒸発に近い状態となりIT投資が止まりました。日本のITベンダーは製造業と同様、雇用調整助成金などで一息つかざるをえない状況となり、オフショア開発も急激に減少。
中国のITベンダーは本国の仕事と日本からのオフシェア双方が激減。最近、ようやく持ち直しつつありますが、競争激化による安値受注から中国のITベンダーは経営圧迫されています。気がついたらパートナー企業がなくなっていたこともあります。信用情報のチェックはおこたりなく。