ストレス

心の病は「メンタル・コミックエッセイ」で学ぼう!(4ページ目)

心の病の体験記を漫画で綴った「メンタル・コミックエッセイ」が人気です。うつ病、神経症、統合失調症の患者と家族の生活を描いたおすすめの3冊をご紹介。病気と無縁な人も、感動できる本です。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

壮絶な統合失調症体験記~
 『わが家の母はビョーキです』

toshitsu

幼いころから母の病気と共に歩いてきた作者の告白

誰も何も言っていないのに、非難されたり笑われているような幻聴が聞こえる。「襲われる!」など、明らかに現実とは違う妄想が現れる。そんな心の病が、統合失調症です。重くなると社会生活が困難になる病気ですが、服薬治療にリハビリを併用していくことで回復できる病気です。

慢性化した統合失調症の長い苦しみを記録したエッセイが、中村ユキ著『わが家の母はビョーキです』(サンマーク出版)です。作者の母が若いときに発症し、作者は子どものころから病気の母に振り回されて生きてきました。幻覚が現れては暴力をふるい、自殺を企てる母。世間から孤立した状態の中で、母とたった2人きりで生きてきた作者。ラストには、地域の相談援助機関や新しい家族との出会いによって症状も不安も改善に向かい、家庭にほっとした幸せが訪れます。

統合失調症に限らず、心の病の当事者は孤立してしまうと症状は悪化しやすく、家族は燃え尽きて八方ふさがりになってしまいます。正しい知識に基づいた治療を続け、身近にある社会資源の援助を受け、そして、家族にも正しい病気の理解と対応の知識があれば、重い病気も回復へと向かっていける。そんな基本的なことを改めて教えてくれる1冊です。


心の病気と縁がなくても感動する「メンタル・コミックエッセイ」

以上、おすすめの「メンタル・コミックエッセイ」3冊をお伝えしてきました。これらは、医学事典や実用書では分からない病気の実態、患者と家族の状況がよく伝わる本です。

これらの本が伝えたかったのは、闘病生活や病気の内容だけではなく、病気になったからこそわかる大切な人との絆、苦しみや悲しみを共有したからこそ気づくことのできる家族、夫婦の愛情なのだと思います。

心の病気とはまったくご縁のない方も、心が動かされる本です。ぜひ、一度手に取って読まれてみてはいかがでしょうか?
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