ストレス

心の病は「メンタル・コミックエッセイ」で学ぼう!

心の病の体験記を漫画で綴った「メンタル・コミックエッセイ」が人気です。うつ病、神経症、統合失調症の患者と家族の生活を描いたおすすめの3冊をご紹介。病気と無縁な人も、感動できる本です。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「カミングアウト」が病気の理解を深めてくれる

カミングアウト

勇気あるカミングアウトが希望を与えてくれた

日本では、うつ病を含む気分障害の患者数は年間約100万人、統合失調症患者数は年間約70万人にも上っており、ストレス社会と言われる現代では、誰でも心の病になる可能性があります。

しかし、「心の病」と聞くだけで腰が引けてしまい、「一度なったら治らないコワイ病気」「精神科に行くのは心の弱い人」と勘違いしている人はまだまだ多いものです。そのため、心の病を患った人や家族は、病気を隠すことが多かったのです。

しかし、近年では自助グループ活動などを契機に、病気の体験を語る患者や家族が徐々に増えはじめ、患者にとっては信頼できる情報と治癒への希望を享受できる機会が増えてきました。こうした勇気ある「カミングアウト」が、人々の病気への偏見や誤解をなくし、合理的な対策の理解へと促す一助にもなっているのです。


「メンタル・コミックエッセイ」によるカミングアウト

comicbook about mental disease

重い闘病記も、漫画ならさらりと読めて共感できる

さらに、近年では文化人や芸能人などのカミングアウトが増えてきました。カミングアウトは、「あんなに恵まれて強そうに見える人も、心の病になるほどの苦しみを味わってきたのか」という共感をに与え、闘病中の人には勇気を与えてくれます。

そうした文化人によるカミングアウトの一つに、「コミック・エッセイ」の存在があります。コミックエッセイとは、漫画で綴られた随筆のことです。とくに近年では、作者自身が、あるいは作者が家族として体験した手記が人気を呼んでいます。

私はこうした、メンタルヘルスのテーマに特化したたコミックエッセイを「メンタル・コミックエッセイ」と読んでいますが、多くがイラストタッチのいわゆる“ゆる系”な画風であるため、重い場面でも読み手がつらくなりすぎずに読み進むことができます。

さらに、病気が理解できるのみならず、家族や夫婦の愛情、人間としてどう生きるか、という深い内省を与えてくれる作品です。なかでも、ガイドがおすすめする3冊を次のページからお伝えします。
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