Q. 「がんになりやすい性格がある」って本当ですか?

Q. 「『がんになりやすい性格がある』というのは本当でしょうか? 『いい人ほどがんになる』『人に気を使う人ほどがんになりやすい』といった話を聞くことがありますが、夫が典型的な『いい人』な性格なので心配です。実際に、性格とがんになりやすさには関係があるのでしょうか?」
A. 「いい人」がハイリスクとは言い切れませんが、性格とがんには関連もあるようです
「がんになりやすい性格」という話は俗説のように思われそうですが、実は心理学の研究が背景にあります。アメリカの心理学者リディア・テモショックは、150人以上のメラノーマ(悪性黒色腫)患者を面接し、その約4分の3に共通する性格的特徴があることを報告しました。テモショックはこの性格を「タイプC性格」と名付け、著書『がん性格 タイプC症候群』(邦訳)で発表しています。
タイプC性格には、主に次のような特徴があるとされています。
- 怒りを外に出さず、過去・現在を通じて怒りの感情に気付かないことが多い
- 不安・恐れ・悲しみといったネガティブな感情を経験したり表に出したりしない
- 仕事や人付き合いで忍耐強く控えめで、権威に従順で協力的
- 他人の要求を優先し過ぎ、自分の要求を後回しにする。極端に自己犠牲的になりやすい
闘争的で苛立ちやすい「タイプA性格」が虚血性心疾患のリスクと関連するとされる一方、タイプC性格はがんのリスクと関連すると考えられています。
なぜ、タイプC性格の人はストレスをためやすいのでしょうか? 理由の1つは、「自分が不快だと感じていること自体に気付かない」点にあります。つらい状況でも周囲に配慮し、場の雰囲気を優先して接するため、外から見ると穏やかに見えます。しかし心の奥では感情を抑圧しており、そのストレスが無意識のうちに蓄積されてしまいます。この蓄積されたストレスが免疫機能に影響し、がんのリスクを高める可能性があると考えられています。
では、どうすればよいのでしょうか。大切なのは、自分のネガティブな感情を「感じてよい」と認めることです。「ひどい」「つらい」「不安だ」という気持ちが湧いたとき、その感情にふたをしてしまうのではなく、「なぜこう感じたのか」「自分は何を求めているのか」と自分と対話する習慣を持ちましょう。一人で難しい場合は、カウンセラーなど話しやすい人と一緒に感情を解きほぐしていくことも有効な方法です。
もちろん、「いい人」であることは素晴らしいことですし、「性格がいいほどがんになりやすい」というわけではありません。ただ、自分の気持ちを後回しにし続けることは、長期的に心身の健康を損なうリスクがある点は、知っておいてもよさそうです。自分の感情を大切にすることも、健康を守ることにつながるのだと心掛けてみてください。
さらに詳しく知りたい方は、「『がんになりやすい性格』はあるのか? ストレスをためやすい『タイプC』性格とは」をあわせてご覧ください。







