企業のIT活用/IT関連法律の注意点

ビジネスソフト違法コピーには高額な和解金

コストを下げようとビジネスソフトの違法コピーを導入して、発覚するときついお灸が待っています。3億円という和解金を払った企業も登場。従業員が勝手にやったは通らず、社長の個人責任も問われます。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

意外と多い日本のソフト違法コピー

BSAとはビジネスソフトの違法コピーはダメと啓蒙する団体

BSAとはビジネスソフトの違法コピーはダメと啓蒙する団体

BSAという団体をご存知ですか? BSAとは、ビジネスソフトウェア産業の継続的な成長と安全で信頼できるデジタル社会の実現を目指す非営利団体で、ビジネス・ソフトウェア・アライアンスの略。ひらたくいうと、ビジネスソフトの違法コピーはダメと啓蒙する団体です。世界80カ所以上の国や地域で活動。

今年、違法コピーをしていた関西のメーカーと損害をうけたマイクロソフトやアドビなど4社との間で3億円もの金額で和解が成立。話題になりました。

違法コピーと聞くとお隣の中国がよく話題にのぼりますが、日本もひどくソフトウェア違法コピーによる損害額が2009年では世界ワースト8位(約 1,700億円)。これが知的財産立国を目指している日本の姿です。ちなみに違法コピー損害額は、第1位は米国、2位中国、3位ロシアと続きます。

コスト削減したくて違法コピーは当然NG

大量ソフトのパッケージで倉庫が一杯に

大量ソフトのパッケージで倉庫が一杯に

企業や学校では適正な本数のソフトを購入しなければならないので、少し前まで管理が大変でした。パッケージ形式でソフトを1本1本提供していたため、購入本数が多いとパッケージの箱が山積みになることも。

マイクロソフト・オフィスでは、厚さ15cmほどの箱に数冊のマニュアルとCD-ROMが入っていました。100本購入したら100個の箱と大量のマニュアル、山のようなCD-ROMが届くのです。

以前ガイドは、納入業者に「100本分の料金をきちんと払うから、インストールに必要な1本分だけ持ってくることができませんか?」と交渉したことがあります。「規則ですから」と言われ、結局軽トラックで100本のソフトを運んできました。仕方がないので倉庫の1つに箱やマニュアルを押し込んだことも。聞いたところによると、倉庫の保管コストなど購入以外のコストがかり、悪いとはわかっていながら違法コピーしている中小企業もあるようです。

現在はサイトライセンスが用意されています。サイトライセンスとは、企業などが組織単位でソフトウェアのライセンスを購入する方式。最大使用者数やインストール台数に応じたライセンス料金を支払えば、インストールに必要なパッケージは1本のみ。これなら倉庫を用意しなくてもすみます。コストなどはかからなくなりましたが、あいかわらず違法コピーを続けている企業や組織もあります。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます