お茶出しのマナー
<目次>
お茶出しのマナー・手順……応接室にサイドテーブルがない場合などは?
受付からお茶をお出しするまでの応対によって、会社の印象が大きく変わります
■お茶をお出しするまで
茶碗と人数分の茶たく、台拭きをお盆に乗せて運びます。運んでいるときに、お茶が茶たくにこぼれないように、茶碗と茶たくは別々にしておくのがポイントです。お茶を運ぶときは、お盆を両手で高すぎず、低すぎずの高さ(胸のあたり)で持ちますが、この時、運んでいる人の息がお茶にかからないようにしましょう。
1. ノックを3回し「失礼いたします」と言って入室します。この際、ドアが開いていたとしても「入ります」という合図のためノックをします。
2. サイドテーブルにお盆を置き、茶たくの上に茶碗を置きます。茶たくは、両手で持って「失礼します」と一言添えながら差出します。
サイドテーブルがない場合は、入り口に近い側のテーブル端にお盆を置きましょう。またサイドテーブルにもテーブルにもお盆を置く場所がないときは、お盆を持ちながら、片手で出してもOKです。しかし正式な出し方ではありませんから「片手で失礼します」と一言添えるようにしましょう。
日本茶、コーヒーなど、会社によってお出しする飲み物は違いますが、お出しする手順は変わりません
この時、茶碗に絵柄ある場合は、絵柄が相手の正面になるように置くようにします。蓋付きの場合は、蓋と湯のみの絵柄をあわせるように気をつけてください。
4. 出席者全員にお茶を出し終えたら、お盆は脇に抱えて、ドアの前でお客様のほうを向き「失礼いたしました」と言い、一礼し退出します。
5. 廊下に出たら、軽く会釈しながら、静かにドアを閉めます。
お茶出しのマナーと合わせて知っておきたい、お茶(日本茶)の淹れ方
ただ色が出ているだけのお茶ではなく、せっかくですから、おいしいお茶の入れ方を覚えておきましょう
■日本茶の入れ方
沸かしたての熱湯で入れると、色だけが出てしまい、お茶の味も香りもわからなくなってしまいます。玉露の場合で、70~80度、煎茶ではそれよりも少し熱いぐらいと覚えておきましょう。
1. 湯飲み茶碗に、熱いお湯をお茶碗の8分目ぐらいまで注ぎ、器を温めます。
2. 茶碗の湯が適温まで下がったら、茶葉をいれた急須に移し入れ、1分間ほど待ちます。茶葉が開き始めたら、茶碗に注ぐ合図です。
3. お茶を茶碗に注ぐ時は、一杯ずつ茶碗に注いでいくのではなく、少量ずつ濃さが均一になるようにまわして注ぎます。お茶の量は、茶碗の7~8分目ぐらいにし、なみなみと注がないようにします。
お茶出しのトラブル! こんな時の正しいビジネスマナーは?
季節によっては、冷たい飲み物の方が喜ばれるかもしれません。臨機応変に対応しましょう
お客様の前で、お茶をひっくり返してしまったら、すぐにお客様の洋服を汚していないか確認して丁重に謝ります。そして、すぐに新しいお茶を入れ直しましょう。
■会議が長引いているみたい。2杯目は?
会議や打ち合わせが1時間以上に及んでいるときは、1杯目に日本茶を出したとしたら、2杯目は、コーヒーを出すなど、飲み物を変えます。新しい飲み物をお出しする時に、前の飲み物を下げましょう。
■手土産をいただいたら?
ビジネスの場では、基本的には、お土産をいただいても、お客様と一緒にいただくことはまずありません。しかし、気心の知れた方であれば、「お持たせで、恐縮ですが」と添えて、おしぼりを用意して一緒に出しても構いません。その際、おしぼりを右手に、お茶を中央、お菓子を左手の位置に置くようにしましょう。
■人数が増えている!
後からさらにお客様が来た場合など、お茶を出した時点で、最初の人数よりも増えていたときも焦ることなく、自社の出席者に出す予定のお茶をお客様に出します。そして後で足りないお茶を持っていきます。
慣れないうちは、「お茶を出す順番を間違えた!」とか「手が震えてしまった」など、失敗もあるとは思いますが、それは経験を積むごとに慣れていきます。大切なのは、お客様に対する「ようこそ、いらっしゃいました」という感謝の気持ちで、接することです。
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