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10キロマラソンを走るコツとは?ランニングの時間配分と練習法

10キロマラソンは、ランニングやジョギング初心者にとって初レースのことが多いと思います。ベテランランナーも10キロマラソンはスピードチェックのために活用します。所要時間は短いですが、コツを掴んでレース慣れするために気軽に参加してみましょう。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

10kmマラソンを走るペース配分や練習法とは

10キロマラソンのコツとは? 

10キロマラソンのコツとは? 

ランニングを始め、レース初チャレンジが10kmマラソンという方も多いと思います。そこで今回は、10kmマラソンの走り方についてアドバイスをお送りします。

<目次>
 

10kmマラソンを40分未満で走る時間・ペース配分

一般的な市民ランナーが10kmを走る速度というと、35分~1時間20分くらいの間です。その中で40分を切ることはランニングに夢中になってきたランナーにとって、節目となる目標タイムです。40分を切るようになると、ハーフも1時間30分を切るようになり、次の目標がフルマラソンサブスリーに向いてきます。市民ランナーとしては上級者といっていいでしょう。

レースのペース配分は、最初から平均ペースを下回らない速度で入ることになります。入賞争いなら駆け引きもあるでしょうが、まだそこまでのタイムではないですから、自分のリズムを守ること。1kmで速すぎていたら、やや緩めないと最後まで持ちませんが落としすぎてもいけません。我慢していればなんとか持ちこたえられるだろうというレベルが理想です。

中盤3~7kmぐらいの区間は巡航速度を守ること。ここで上げ下げしていると早く疲労します。自分に合ったペースのランナーがいたら背後について、消耗を極力少なくするように心掛けます。ラスト3kmぐらいで徐々にあげます。ラストスパートができるのはせいぜい200~300mなので、どこからスパートするかをあらかじめ調べておくこと。意外に目測では近く見えるもので、スパートが早すぎてしまいフィニッシュ間近で息切れすることはよくあります。

といって、力を余してフィニッシュしてしまうのもタイムは悪くなるし、達成感が感じられず後悔が残ります。フルマラソンだと、ふらふらになるまで力を使い切ってフィニッシュするよりも力を余してフィニッシュしたほうがタイムがよかったりするのですが、10kmではそんなことはありません。

最初から飛ばすので、ウォーミングアップは十二分におこなっておく必要があります。3~5km程度のジョグに流しも入れ、一度は心拍数を息切れ寸前程度まで上げておきます。直前の水分補給は、よほど暑くなければスタート直前は一口ぐらいにしておくこと。特にカーボローディングをおこなう必要もありません。シューズはヒール部が薄く軽いレース用です。グリップが良く効くことは必須です。
 

40~50分で走る10kmマラソンの時間・ペース配分

40~50分で走る方はかなり走り慣れたランナーに多いようです。そんなにムリはしないけどスピードも楽しむ、頑張るシーンもあるというレース運びをするランナーです。
序盤のムリは禁物。抜く楽しさを味わおう

序盤のムリは禁物。抜く楽しさを味わおう

このレベルのランナーなら抜く楽しみを味わってほしいと思います。スタートから2kmぐらいまではやや抑えめ。おそらく1kmを過ぎるとペースが速すぎたランナーがずるずると遅れ出します。そんなランナーを一人、また一人と抜き去るとともに調子を上げていくのです。

といっても、10kmともなるとそのまま上げ続けるわけにもいかないですから、3~6kmぐらいの所は巡航速度で一度息を整えます。残り4kmとなったら再点火。気合いを入れて再び足の運びに力をこめましょう。呼吸を深くし、腕振りを意識して徐々にスピードを上げます。持続できるのはここが限界、というところまでスピードが上がったらそこからは我慢です。もう残りは1kmを切っているでしょう。

ここで大事なことは、体を大きく柔軟に使い、リラックスしたフォームを心掛けてください。スピードを意識すると動きが硬くなり、思ったようにスピードが出せません。ラストスパートは、ピッチを上げることを意識します。

このように、最初からスピードを上げずに次第に上げるというペースで走れば、汗のかきかたも少なくなります。スタート直前の給水は一口で十分でしょう。ウォーミングアップは3~5kmのジョグで流しを1本入れておくと、走り出しのスピードが楽に感じられるのでおすすめします。
 

10kmマラソンを1時間前後で走る場合の練習法

1時間前後の方は、実にさまざまなランニング経験をお持ちです。練習は少ないけれど、地力があって頑張ると走れてしまう方、加齢による走力低下で不本意ながらそのスピードの方、ランニングの経験が浅いが次第に力がついてきて60分切りを目標にしている方など多士済々。力はあるのに、走り慣れていない方が多いのもこのクラスです。レース参加の機会も少なく、トレーニングも気ままにおこなっているような人の問題点は、自分に合ったペースをつかんでいないことでしょう。

速いスピードで入ってしまうとすぐに苦しくなりがくっとスピードが落ちてしまうとか、速く走ると発汗量が多くなり体の水分が不足することになるといった、ランニング時の体の変化が念頭にないと思われる走りをしている人をたびたび見かけます。1~2kmの距離なら問題なく5分/km程度で走れてしまうものだから、スタートの合図と共に他のランナーにつられて速いスピードで走りだしてしまうことになります。

こんな方は、ぜひ一度5~10kmを試走してください。その際にはコースの距離がわかっているところで走ること。1kmあたりの速度を算出し、そこから本番の10kmのペースを割り出してください。10kmを走ってのタイムなら、本番はそれより5~10%速いペースでも大丈夫。5kmを走ってのタイムなら本番はそのスピードより速くしないことです。実際のレースで5kmを過ぎても疲労を感じないようなら、そこから飛ばしてもいいタイムが出せるはずです。

経験があるにもかかわらず、加齢によって走力が落ちているとか、練習不足で落ちているといったベテランランナーの場合は、今のご自身の状況がわかって参加されると思います、自在に対処なさるでしょう。あれこれ申し上げることはありません。
 

10kmマラソンのコツを掴んで完走を目指そう!

1時間10分~30分の方は、ランニング初心者で完走を目標とされる方が多いでしょう。1km7分~9分という速度は速めの超スロージョギングという速度。やや太めの方でもなんとか完走できるタイムです。
走り始めはちょっと寒いくらいでちょうどいいのだが

走り始めはちょっと寒いくらいでちょうどいいのだが

完走するだけなら、すでに何度か紹介した超スロージョギングでも完走可能です。超スロージョギングでも、歩くよりは多少なりとも速いので、歩かないことを目標にしましょう。そのために大事なことは、身軽な服装で臨むことです。

完走ギリギリの参加者には、厚ぼったいウエア(スエットトレーナーにタオルを巻いているというような)を着ている方をよく見かけるんですが、あの服装はランニング時の体の動きの妨げになります。巻きタオルも体温を上昇させますし、発汗量も多くなります。

Tシャツがいいと思いますが、長袖でも軽くて吸湿発散効果に優れ、ランニングの動きを考慮したランニングウエアが販売されているので、そうしたウエアにロングパンツではなく、ハーフから長くても七分丈のランニング用パンツで走ってみてください。軽快に体が動くはずです。

超スロージョギングで走る方でも、ピッチが早い方がいます。この方々の場合は、スピードを上げる上でこれ以上ピッチを早めることは困難。となれば、速度を上げるには歩幅を広げる工夫が必要になります。ストレッチングで前後開脚を行う、歩行時に大股で歩く、練習時に最後の1kmだけでも歩幅を広げるように心掛ける、ジャンプトレーニングで蹴りの力を強化する、といった工夫をしてみてください。

10kmレースというのは、練習で5kmを走り通せるようになればまず完走が可能な距離です。こればかりは、歩いたりせず、最後までにこやかに走りきってフィニッシュラインを踏みましょう。

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