自治体お墨付きの良好な住宅地　自然豊かな住宅地「風致地区」

分譲地やマンションの広告で時々目にする「風致地区」。この「風致地区」っていったい何なのでしょうか？この4文字があるだけで、他とは違うステイタスを感じたりしませんか？今回は、この風致地区についてご紹介します。

風致地区って何？

自然が豊かな良好な住宅環境の「風致地区」

風致とは「自然の風景などのもつおもむき・味わい」という意味。また、都市計画法では「風致地区」を「都市の風致を維持するために定められる地区」と定義されています。 つまり、風致地区は、街の中でも自然のおもむきが守られている地域となり、住宅環境としても注目の地域です。

では、具体的に「風致地区」はどのようにして自然が守られているのか見てみましょう。風致地区では、建築物の建築・宅地の造成・木竹の伐採などが規制されています。ですので、風致地区内で建築物の新築や土地の形質の変更，木竹の伐採等を行う場合には、事前に自治体の許可を得る必要があります。また、その制限の内容は、各都道府県が決めています。風致地区で家を建てようとする場合は、規制内容を充分にチェックする必要があります。

関西の風致地区

平成14年3月31日現在、関西2府4県の風致地区は160地区あり、面積はおよそ63,000ヘクタールにも及びます（全国では、749地区で168,943.27ha）。たくさんの地区が指定されていることがわかりますね。関西の風致地区の中から、京阪神を中心に住宅地を中心に主なものをあげてみました。


この中には、今まで記事にとりあげた街がたくさんあります。大阪府では、大阪市の「聖天山（しょうてんやま）地区」が「大阪屈指の住宅街『帝塚山』」、堺市の「浜寺地区」が「公園とお屋敷の街『浜寺公園』」があります。また、兵庫県では、芦屋市の「芦屋川地区」は「関西有数の高級住宅地『芦屋』」で紹介した周辺地域、西宮市の「広田地区」は「再開発が進む街『西宮北口』」の周辺地域になります。

このように、閑静な住宅街や自然の残るお屋敷街などに多い風致地区。住人の協力と行政の指導によって、環境が守られている地域であることがよくわかります。また、意外と数の多さにもびっくり。身近なところに風致地区があった人も多いのではないでしょうか？
次のページでは、京阪神の風致地区の特徴やその規制などを紹介しましょう。

【関西の主な風致地区（平成14年3月現在）】

都道府県	都市名	風致地区
京都府	京都市	相国寺・鴨川・上賀茂・比叡山・東山・醍醐・伏見桃山・紫野 嵯峨嵐山・西山・北野・紫野・船山・鞍馬山
大阪府	大阪市	聖天山・夕陽丘・四天王寺
	池田市	池田山・待兼山
	豊中市	東豊中・稲荷山・大石塚・服部
	吹田市	服部・千里山東・千里山西
	東大阪市	枚岡
	高石市	高石
	泉大津市	助松・穴師
	岸和田市	久米田・焼ノ山・中島池
	泉佐野市	新家山・壇波羅山・佐野松原
	堺市	大仙・浜寺
兵庫県	神戸市	六甲山・芦屋川・住吉川/赤塚山・須磨
	芦屋市	六甲山・芦屋川
	西宮市	東六甲山・愛宕山・夙川・武庫川・満池谷・広田山
	伊丹市	緑ヶ丘・昆陽池・昆陽寺