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新開地界隈~「映画で栄華」から脱皮した街(2ページ目)

「新開地」を辞書でひけば「新しく開けた市街地。また、その地域」。その昔、文字通りの「新開地」として神戸の一大中心地であった新開地は、今、姿を変えてまた盛り上がりを見せています。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

湊川公園と雑多な街並み~北側

聚楽館
路地裏の風景
(上)皆に愛された聚楽館(しゅうらくかん)は今ではボーリング場にその姿を変えている(下)アーケード街も良いが一本入った路地の風景に新開地らしさがある
「新開地」駅から北側(山側)に向かい「湊川(公園)」駅までの間は、アーケード商店街を中心とした店舗中心の街並みです。

商店街は、昔ながらの構えをとどめている店舗がある一方で、大きなビルやマンションも散見されます。マンションの敷地はおそらく以前には賑わっていた商業施設であったのでしょう。ただ、意匠の統一感があるので商店街を歩いていても違和感はありません。

この周辺の「新開地らしい魅力」はといえば、路地にあるといえます。

アーケードから一本入った狭い道路には、軒を連ねるように多くの個性的な飲食店が並びます。また、アーケード街と並行するように東側には柳筋という商店街もあり、こちらも同様に雑多な雰囲気が魅力です。

住宅街とイメージは相当かけ離れているこの界隈ですが、住宅も少なからず存在します。アーケード沿いに分譲マンションが複数あり、またそれ以外では商住一体の建物が多く、路地に入れば小規模な賃貸アパートも見られます。

アーケード街の最南端の場所にあり新開地のシンボルの一つであった「聚楽館(しゅうらくかん)」跡地はボーリング場へと姿を変えています。

今なお劇場の残る風景~南側

通りの街並み
周辺の街並み
北側はアーケード街だが、南側はアーケード無。全体的に開放感のある様子で、北側に比べると整然として見える
多聞通を渡った「新開地」駅の南側は、アーケードがなく全般に明るい感じです。また、新開地のランドマークとなるような施設は南側に多く存在します。

メインストリート沿いには「涙と笑いの人情芝居」の「新開地劇場」、芸術家と市民の交流の場「神戸アートビレッジセンター」、「もう一度みたいあの映画」を見ることができる「シネマしんげき」等が建ち並びます。

北側は路地を入ると街路の狭い「飲み屋街」の様相でしたが、南側は道路も比較的広く、住宅の割合が多くなります。JR線の駅に近い事も含め、「新開地に住んでみよう!」という向きには南側の方がとっつきやすいかもしれません。

というわけで、今回の新開地のご紹介はいかがでしたでしょうか?湊川公園エリアに近い山側からJR沿線となる浜側に至るまで南北に長い「新開地」エリアですが、「古き良き神戸」の面影を感じさせるところが随所にある街歩きが楽しい場所です。三宮まで行かれた時は是非とも、もう一歩足を延ばし歩いてみる価値あり、ですよ。

【関連サイト】
新開地ファン
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