三宮から電車で10分足らずにある「新開地」。神戸の人なら行ったことはなくともは名前は知っていると思いますが、それ以外の地域では名前も知らないという人も多いと思います。今回は神戸市兵庫区にある「新開地」をご紹介します。

かつては神戸文化の中心地

商店街看板
新開地劇場
映画が最大の娯楽であった時代、新開地も大歓楽街であった。今も商店街の案内看板が「カチンコ」をモチーフにしていたり、大衆演劇が賑わっていたり、名残を感じさせる風景がある
神戸市兵庫区(三宮のある中央区の西隣)のJR山陽本線「神戸」駅から山側に少し行くとそこが新開地です。「新開地」とは辞書で引くと「新しく開けた市街地。また、その地域」という意味。1905年(明治38年)に湊川を埋め立ててできたこの周辺は、100年前には文字通り「新開地」でした。

往年の新開地を知る人にとっては、新開地=映画館、となります。周辺には映画館・劇場が合わせて20以上もあり、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」で有名な神戸出身の淀川長治さんもよく訪れていたそうです。

戦前から昭和30年代迄は、国民的娯楽であった映画とともに活気に満ちていた新開地ですが、その後は映画人気の衰退と映画館等の娯楽施設の閉鎖、地元大手企業の移転などが続き、そして阪神淡路大震災によるダメージによって長い冬の時代を迎えます。

しかし現在は、地元の住民や商店街の方の頑張りもあり「新開地映画祭」「新開地寄席」等のイベント開催などで街に活気も戻り、往年とは違う形での街の魅力を発信しています。

繁栄→衰退→そして復活、とこの図式、大阪の堀江界隈と少し重なるものがあります。

「新開地」駅不要!? 6線9駅利用可能

上沢
湊川公園
これだけ複数路線の駅が集中して存在するエリアも稀である。上は市営地下鉄「上沢」駅、下は各線「湊川(公園)」駅。JR線以外は地下を走る。
そんな盛衰の歴史をもつ新開地の大きな特徴の一つが足回りの良さです。

神戸高速鉄道「新開地」駅は、東西方向で阪急電車・阪神電車・山陽電車、北に向かっては神戸電鉄の合計4社の列車が乗り入れするターミナル駅。とりわけ東西方向の移動については、同じ駅を利用しつつ行先に応じて電車を選択することが可能です。

また各社路線はこの近辺の駅間距離が短いため、周辺には多数の駅が存在します。

高速神戸鉄道の前後の駅は、三宮側(東側)の「高速神戸」駅まで徒歩約5分、西側の「大開」駅まで徒歩約10分。「高速神戸」駅はJR「神戸」駅北側ロータリーのすぐ北側にありますし、「大開」駅からJR「兵庫」駅までは徒歩約5分。

山側に5分ほど歩くと神戸電鉄「湊川」駅。電車に乗ろうとすると……待ってる間に歩いて着いてしまうくらいの距離です。

ここには神戸市営地下鉄「湊川公園」駅もあり、乗り換え可能。前後の駅である神戸市営地下鉄「大倉山」駅・「上沢」駅はそれぞれ徒歩10分強。

というわけで「新開地」駅を中心にこのあたりには「新開地」駅を含み6線9駅が徒歩圏内に密集!「新開地」駅自体がなくっても全く困らないのでは?

そんな便利な新開地。次頁では周辺街並みを紹介して回ります。