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商店街と寺町の対比が秀逸~阪神「尼崎」駅(2ページ目)

活気あふれるイメージが強い阪神尼崎。その通りな街並がある一方、再開発で整然とした一角や歴史的景観もあり、その姿は非常に多様。今回は阪神なんば線開通で注目の阪神「尼崎」を紹介します。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

11の寺が並ぶ街並み~駅南西エリア

寺町
尼信博物館
(上)寺町界隈入口。商店街の喧騒が嘘の様(下)尼信博物館。子供も大人も楽しめる
駅南西エリアは、駅北東エリアとは対照的に、開発の手が入っていないエリアです。幹線から入ったあたりにびっしりと並ぶ木造のアパート・一戸建等の民家、それに、11のお寺からなる寺町地区の街並みが印象的です。

寺町地区は、尼崎城築城の際に近辺の寺が一カ所に集められたことから始まり尼崎城無き今も往時の景観をとどめており、周辺は都市美形成地域に指定されています。周辺は煉瓦塀に石畳、近辺がわかる案内板が整備されており、散策コースとしては非常に良くできています。

寺町界隈からその西側を中心に開発が遅れている駅南側ですが、駅舎の真南周辺については阪神尼崎駅南地区市街地再開発エリアとなっており、現在事業が進行中。駅前の一角は29階建て高層建築物(4階以上は分譲住宅)となる予定です。

寺町や再開発以外にも見所はあります。

尼崎市内だけで29店舗を持つ尼崎信用金庫。そちらが運営する尼信博物館があるのはこのエリア。「城下町尼崎展」コーナーと「あましんコインミュージアム」が常設されています。世界の貯金箱博物館もすぐ南側にあります。

このエリアで住宅を探すなら、文化住宅・アパートがメイン。集合住宅はタマ数が少ないです。一戸建ての売り物もありますが、都市美形成地域内で建物の新築・改築等を行う際は都市美形成基準に基づいた届け出が必要となりますので、持ち家をこのエリアでご検討の際はご注意を。

街並み1
街並み2
寺町界隈からさらに西に入ると、文化・アパートなどの木造住宅が密集するエリアとなる

尼崎城跡はホットスポット~駅南東エリア

煉瓦塀
図書館
(上)阪神電鉄発祥の地の煉瓦塀(下)尼崎市立中央図書館は公園の南側
駅南東エリアは尼崎城があったところで、今も随所にその名残をとどめます。

まずはその地名。住居表示では「北城内」「南城内」。住所名以外でも尼崎市立城内高校尼崎市立明城小学校なんて名前もあります。また、明城小学校は尼崎城跡に建っており、敷地内には尼崎城の石碑が設置されています。

また、駅の南東方向徒歩2分程、庄下橋を渡ったところには尼崎城址公園があります。そのすぐ南側には尼崎市立中央図書館。お子様連れの家族からおひとり様まで、ゆったりと休日が過ごせそうな一角です。

そのほかにも複数の歴史的建造物がある駅南東エリア。全般的に住宅は少なめ。このエリアでお探しの方は、現地を踏んで確認した方が早いかもしれません。

街並み3
街並み4
「寺町」や「アルカイックホール」等がある阪神尼崎周辺で「地味」に写るのは南東エリア。でも見所は十分あります


商店街・繁華街の印象が大きすぎる阪神「尼崎」駅ですが、歴史的街並や建造物はそのままに、駅前開発で駅周辺を中心にその様子も大幅に変わりつつある街でもあります。地元商店では、阪神なんば線のストロー効果で集客力が落ち込まないか?との意見もあるようですが、駅周辺の持つ魅力を発信できたなら「いい方向のストロー効果」が出るエリアと思えます。

【関連リンク】
まいぷれ尼崎市
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