敷金を多く取り戻すには?
退去するときにトラブルなく、しかも敷金を多く取り戻すためには、なんと言っても最初の契約が肝心です。このサイトでも何度もお話してきましたが、よっぽど入居者に不利益な内容でなければ、契約書に書いてあることがすべて優先されてしまいます。もし、「退去するときには、畳の張替え、室内クリーニングは入居者負担で行うこと」と書いてあるまま契約していれば、そうせざるを得ません。ですから、契約書に捺印する前にまず確認が必要です。このときのポイントは、
★自然損耗分は賃貸人の負担
★故意・過失による損耗分は賃借人の負担
であること。ここのところをはっきりさせておきましょう。
実際に契約するときに、細かいことまで確認するのは勇気がいることかもしれません。ましてや、「畳の張替え代は全額入居者負担」などとしてある内容に疑問をぶつけ、「そんな文句を言うなら借りてくれなくてもいいよ」と言われてしまったら、せっかく見つけた部屋を借りることもできず困ってしまいます。でも、ここで勇気を持っておかないと後々の生活が楽しいものにはなりません。契約には毅然とした態度で臨むのがポイントです。
入居者にも大切な「義務」がある
タバコのヤニによる壁紙の汚れの修繕費用を自然損耗として考えるケースも少しづつ増えてきている。でも、焼け焦げをつくってしまったらそれは入居者の過失だ |
これは、平たく言うと「善良な入居者は責任を持って借りた部屋を使う義務がある」というもの。借り物なんだし、家賃払っているから好きなように暮らしてもいい、という訳ではなく、逆に「借りているものなのだから、注意を持って生活しましょう」という考え方になります。
例えば、排水管が詰まるまで掃除をしなかったり、タバコによる焼け焦げを作るなどの行為は善管注意義務違反と見なされ、それなりの修繕義務を賃借人も負わなければなりません。神経をぴりぴりさせて暮らす必要はありませんが、ある程度の配慮を持って生活すれば、さらに賃貸人ともいい関係を築くことができるでしょう。物件によっては、水道料を含んだ賃料設定になっているケースもありますが、これに甘んじて水を流しっぱなしにした場合の水道料増額分を賃借人が負担するのも当然のこととなります。
善管注意義務の範囲を少し広義に解釈し、生活をスタートするときにちょっと工夫すると、さらにキレイに部屋を使うことができます。大家さん、入居者ともに嬉しくなるけれど、簡単にできる暮らしの知恵を次回、紹介しましょう。
【関連サイト】
・敷金トラブルは契約で防ごう
・原状回復は誰の負担?-1
・原状回復は誰の負担?-2
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