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このガイドラインでトラブルが減少!? 「原状回復」は誰の負担??2

原状回復トラブルが起こりやすいのは、壊れた箇所の修繕負担を誰がするのか、それが明確ではないから。そこで、具体的な例をもとに、賃貸住宅の修繕負担が誰にあるのか、みてみましょう!

加藤 哲哉

執筆者:加藤 哲哉

賃貸・部屋探しガイド

国土交通省では、頻繁に起こる原状回復・敷金トラブルを避けるために、ガイドラインを設けています。(詳しくは→こちら
トラブルのもとは、損耗した部分を誰が負担するのかが明確ではないから。そこで、ガイドラインでは、「自然損耗、経年変化によるものは貸主の負担、入居者の故意・過失によるものは借主の負担」と定めています。
では、具体的にはどんなケースなら貸主、借主の負担になるのでしょうか?例に挙げて詳しくみてみましょう。


■1
Q:特に目立った破損はないが、次の入居者を募集するために畳の表替えを行った。これは誰の負担?

A:貸主の負担。特に目立った破損がない場合には、借主が畳を新しくするための費用を負担する必要はありません。これは貸主の負担。

■2
Q:家具を置いていたところのカーペットがへこんでしまった。このへこみは借主の負担で直すべき?

A:家具を置くのは日常生活においてごく一般的なこと。だから、ただ家具を置いただけによるへこみは自然損耗と捉えるのが妥当だと考えられます。よって、貸主の負担。

■ 3

Q:カーペットの床に飲み物をこぼしてしまい、シミやカビができた。これは誰の負担?

A:飲み物をこぼすことは通常の生活範囲だと考えられるため、シミをつけただけでは借主の負担にはなりませんが、その後手入れが不十分でシミがひどくなったりカビが生じた場合には、借主の負担になります。よって、貸主・借主双方の負担。

■ 4
Q:引越し作業の途中で傷がついてしまった。これは貸主?それとも借主?

A:引越しのときに生じた傷は、借主の過失または善管注意義務違反に該当する場合が多く、それは借主負担となります。

■ 5
Q:パソコン用のキャスター付きイスを使用していたら、フローリングに傷がついてしまった。これは、自然損耗負担になる?

A:キャスター付きイスを使用すれば、フローリングに傷がつくことは、通常借主が予測できたことであり、借主は床にカーペットやラグを敷くなどの注意を事前に払って暮らす必要があったと考えられます。よって、この場合には借主の善管注意義務違反だと判断される場合が多くなります。

■6

Q:借主は愛煙家。ヘビースモーカーではないけど、ちょっとはタバコを吸っていたので、壁にヤニが着いてしまった。これは借主の負担?

A:タバコのヤニは、すべて借主の負担だと思われがち。でも、喫煙すること自体は、善管注意義務違反にはあたらず、通常のクリーニングで汚れが落ちる程度であれば、貸主の負担だと考えられます。ただし、ヘビースモーカーで通常のクリーニングで落ちないようならば、借主の負担にもなります。
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