メンタルヘルス/適応障害

適応障害、人生の節目に潜む心の病気(2ページ目)

結婚、転居、退職など、人生の節目は新しい環境への順応が試される時です。うまく適応できないと、心の不調から日常生活に大きな支障が生じる「適応障害」が起きてしまう可能性があります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

適応障害の経過

適応障害で現れる症状はその原因となるストレスの経験後、3ヶ月以内に出現します。適応障害の治療には心理療法が行われ、気分の落込みや不安が強い時、睡眠障害がある場合などでは薬物療法も必要となります。

適応障害の予後は一般に良好であり、病気の原因となっているストレスが取り除かれると、半年以内には発病前の状態に戻れますが、そのストレスに対して多くの人は適応できるにも関わらず、その人に大きな問題が起きてしまった事は軽視できない点です。

適応障害を引き起こしたストレスはその人にとってどのような意味をもっていたのでしょう? 幼少期のトラウマ体験が適応障害を引き起こしたストレスに対して何か特別な意味を与えている可能性もあります。心理療法によって、そのストレスの本人にとっての意味を理解し、それに対する対処法を学ぶと、同様なストレスに将来、接した時に例え症状が出現してもその症状の程度を軽減する事ができます。

結婚、転居、退職など、生活環境の大きく変化する人生の節目は適応障害だけでなく、うつ病など他の心の病気のリスクも高まります。適度な運動の習慣、睡眠の状態、家族や友人と過ごす時間など、自分のライフスタイルがメンタル面でも健康的なものかどうかを見直す良い機会かもしれません。


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