がんになりやすい性格があるって本当?

ガンになりやすい性格とは

がんになりやすい性格とは


ストレスががんの発生リスクを高めることは、すでにいくつもの研究から知られています。しかし、人の性格とがんの発生には関係があるのでしょうか?

がんと人の性格との関係について研究したのが、アメリカの心理学者リディア・テモショックです。彼女は、サイエンスライターのヘンリー・ドレイアとの共著で『がん性格 タイプC症候群』(大野裕監修、岩坂彰・本郷豊子訳、創元社 1997年)という本を出版しています。

その本によると、彼らは150人以上のメラノーマ(悪性黒色腫)患者を面接し、その約4分の3に次のような共通の性格的特徴があることを認めました。

1 怒りを表出しない。過去においても現在においても、怒りの感情に気づかないことが多い。
2 ほかのネガティブな感情、すなわち不安、恐れ、悲しみも経験したり表出したりしない。
3 仕事や人付き合い、家族関係において、忍耐強く、控えめで、協力的で譲歩を厭わない。権威に対し従順である。
4 他人の要求を満たそうと気をつかいすぎ、自分の要求は十分に満たそうとしない。極端に自己犠牲的になることが多い。
『がん性格 タイプC症候群』より引用

テモショックは、アメリカ人医師のフリードマンとローゼンマンが定義した「タイプA性格」(闘争的、仕事熱心、苛立ちやすい性格。虚血性心疾患のリスクを高める)、タイプAと対極的な「タイプB性格」(感情を素直に表現でき、リラックスしてうまく付き合える性格)と比較し、このがんのリスクを高める性格を「タイプC性格」と定義しました。
 

タイプC性格の方がストレスをためやすい理由

いい人はストレスを抱え込みやすく、がんになりやすい

タイプC性格の方は、自分の不快な感情に気づかず、ストレスをため込んでいることがある


テモショックの説によると、タイプC性格は、人付き合いによって非常にストレスをためやすい面があります。

たとえば、一般的にはとても不快に感じられるような体験があっても、ネガティブな感情を表さないどころか、不快な感情を感じているかどうかも自覚していません。また、自分の要求はいつも後回しで、常に他人のやりたいことや意見を優先させ、その場の雰囲気がうまく収まるように接します。

闘争的なタイプA性格と違っていつも雰囲気が良く、他人ともトラブルを起こすことは少ないのですが、素直な感情を心の奥で抑圧してしまい、解放できないでいるために、ストレスは無意識のうちに蓄積してしまいます。それが身体の免疫機能に影響し、がんのリスクを高めると考えられています。
 

抑圧された感情を解放し、本当の自分に気づくことが大切

みなさんも、悲しみを感じたときや残念に感じたときに、その素直な感情を出さないように呑み込んでしまうことはありませんか? そして周りの人の気持ちに配慮して、何も言わないようにしていませんか? 無理に明るくしたりしていませんか? そして、どこか心が疲れていませんか?

そのようにできるのは、とても親切さと優しさのある素晴らしい心の持ち主だからだと思います。でもひょっとしたら、そうしたことの積み重ねが、自分の心身を蝕んでしまうかもしれません。

もし上のような特徴に気づいたら、自分の小さな心の動きを大切にしましょう。たとえば、誰かにひどいことを言われたり、困難な状況に立たされた時に、人間の心には「ひどい」「つらい」「不安だ」といった自然な心情が湧きあがるものです。しかし、タイプC性格の方は、こうしたネガティブな感情を感じないように、無意識のうちに心に蓋をしてしまいます。そして、抑圧された感情が心の底に鬱積していくと、いずれ心身の健康を蝕むような心理的なストレスになってしまいます。

ぜひ、ネガティブな感情が少しでも動いた瞬間を身のがさず、その時にはその感情をキャッチして、じっくり対話してみてください。どうしてその感情が湧いたのか、その感情が自分に求めていることは何なのか、振り返って考えてみることです。

一人ではうまくいかないかもしれません。そうした場合、心理カウンセリングを受けて、カウンセラーと一緒に自分の感情を解きほぐしながら、抑えてきた感情に気づいていくとよいかと思います。

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