「中年太りコンプレックス」をリフレーミングすると?
太っているのもまたよし、と思えるようになったのはなぜ?
たとえば、上の例の場合、次のように視点を変えてとらえることがリフレーミングになります。
・学歴に自信がない→→たしかに、学歴はアピールポイントにはならない。だからこそ、自分で実力をつけようという気持ちが起こるのだ。
・子どもが1人→→金銭的、時間的な余裕ができ、精神的にもバランスがとりやすい。その分、ゆとりを持って子育てできるのではないか。
実は、私自身もリフレーミングを覚えたことによって、自分自身の劣等感から抜け出られた経験が何度もあります。
もっとも卑近な例では、「中年太り」の劣等感からの転換でした。実は私、もとはかなりのスリム体形だったのですが、30代半ばを越えてから、年々太り続けていく自分に、うっすらと自信を喪失していたのです。しかし、ある人から「少しふっくらしてるお母さんっていいよね。“のび太くんのおばあちゃん”みたいで安心する」と言われて、衝撃を受けました。
たしかに、漫画『ドラえもん』では、やせ形でいつもキリキリ怒って余裕のないのび太の母と、小太りでいつもゆったりとのび太を受け止めているおばあちゃんの像とが、対比的に描写されています。若いころから「スリム礼賛」の流行に流されてきた私は、自分の中年太りを劣化と堕落の象徴のように受け止めていたところがあったのですが、見方を変えれば、「ふっくら体形」とは今の時代の人が郷愁を抱く「柔和」「安らぎ」の象徴でもあったわけです。
このように、少し見方を替えるだけで「劣等感」も「自信」へとリフレーミングすることができます。このリフレーミングには、先ほどのような第三者のちょっとした意見が功を奏します。今、自信をなくしている人も、友人や知人に「あなたってこうなのね」という新鮮な意見をもらったとき、その意見を有効に役立てて、自分自身への見方をリフレーミングしてみましょう。きっと、自分自身への印象が変わり、自分の活かし方も広がっていくのではないでしょうか。