「私ってダメ」…ネガティブ・トラップにかかっていませんか?

たった一つのことが気になって自分に自信を持てなくなる

たった一つのことが気になって自分に自信を持てなくなる

あなたは、物事をポジティブに考える方ですか? ネガティブに考える方ですか? 私たちはそれぞれ成育歴、環境、人間関係など、さまざまな影響を受けて、自分自身の個性的な物の見方をつくっています。

こうしたその人独自の物の見方を「フレーム」と言います。同じものを見聞きしても、個々の「フレーム」によって、感じ方や意見は「ナンセンス」から「クール」まで、「ステキ」から「ゾッとする」まで、180度変わってしまいます。

ところで、私たちは独特の「フレーム」によって物事や社会、他人だけでなく、「自分自身」も見ているのです。自分に自信を持てない人は、「できないこと」「失敗したこと」が極端に大きく見えるフレームで自分自身を見ています。そのため、他人や世間は大きく見えるのに、自分自身はとても小さく見えてしまい、自分が手にしていることも、やってきたことも評価できないのです。

たとえば、人もうらやむ大企業に入社し、いくつもの資格も持っているというのに、たった一つ「学歴」に劣等感を抱いているだけで、「俺は結局、○○大くらいしか入れなかった男だ……」という思いや、「○○卒じゃ、とても出世できない」という思いこみを抱え、今一歩うまく自分に自信を持てない人がいます。勝ち取ってきたいくつもの栄冠(就職、資格取得)の価値より、「受験」というたった一つの失敗の禍根の方が何倍も大きく見え、もうすでに手にしている数々の成功が豆つぶのように小さく思えてしまうのです。

持っているものより、持っていないものにとらわれてしまう

持っているものより、持っていないものにとらわれてしまう

またたとえば、1人とはいえ愛する子どもに恵まれた幸せを喜べず、2人以上の子を育てている人を見ると、「1人しかいない」という思いにさいなまれる人もいます。両親や姑舅が「あの子も1人じゃ寂しいね……」とつぶやくたびに落ち込み、主婦としての不全感を抱いてしまうのです。この場合、「(1人子どもが)いる」ことの幸せより、「(2人目が)いない」ことの欠落感が大きく見えてしまい、「幸せをもうすでに得ている」という実感に浸ることができないのです。

私は取材やカウンセリング活動の中で、似たようなフレームを持つ人と向き合っていますが、では、彼らは本当に「ダメ」な状態なのか? というと、まったくそんなことはないのです。ある人は知識や優しさがあふれ、ある人はいいパートナーや友達に恵まれ、笑ったときにステキな笑顔があふれる人もいて、結構それぞれに色々な財産を持っているのですが、もったいないことに自分では気づかないか、気づいていてもほとんど評価していないのです。