「よい妻」「よい母」でいようと、頑張りすぎていませんか?

料理をする女性

「ダメな母親だは思われたくない」「すてきな奥さん、すてきなお母さんと言われたい」――こうした思いから家族のために頑張りすぎていませんか?


いつも夫や子どものことを第一に考え、自分の都合は後回しにして頑張っている女性の姿は、世間の目からは「よい奥さん」「よいお母さん」と見られることが多いかもしれません。しかし、こうして頑張っているのに、肝心の夫や子どもはちっとも喜んでいない。逆に「なんでそんなに頑張るの?」と冷ややかな目で見ている。こうした例は少なくないようです。

たとえば、夫や義理の家族から「ダメな嫁だな」と思われないように頑張る。子どもや世間の人から「ダメなお母さんね」だと言われないように頑張る。あるいは、誰かから「すてきな奥さんね」「すてきなお母さんね」と言ってもらうために頑張る。

このように「どう見られるか」「どう評価されるのか」を意識して行う家事や育児は、一見すると“すてき”に見えるかもしれません。しかし、こうした気持ちで家事や育児を行っていると、「夫や子どもは私に何を求めているのだろう?」という、いちばん大切なことが分からなくなってしまうことがあります。

そして、夫や子どもが求めていることからかけ離れたことを提供し、いつの日か「私(ぼく)がしてほしいことなんて、何もしてくれなかった……」と、きつい一言を言われてしまうかもしれません。
 

よい妻、よい母であろうとして、夫や家族の主体性を奪ってしまうことも

炊事をする女性

妻や母が気を利かせすぎると、夫や子どもが主体的に家庭にかかわる機会や能力を奪ってしまうこともあります


よい妻やよい母であろうとして頑張ることには、もう一つのデメリットがあります。それは、夫や子どもの「主体性」を奪ってしまうことです。

たとえば、「気配りをするのが妻のつとめ」といった思いが強い場合、夫が自分でできるはずのクローゼットの片づけ、実家とのコミュニケーションなど、何でも妻が気を利かせてやってしまうことがあります。「子どもが困らないようにしてあげるのが母のつとめ」といった思いが強い場合、子どもが自分でできるはずの登校の準備、進路の選択など、何でも母が気を利かせてやってしまうことがあります。

このように、本来は自分自身で考えてやるべきことを、何でも先回りして解決してしまうと、夫や子どもは面倒なことはいつも妻、母に任せておけばよいと思ってしまいます

もちろん、状況によっては、妻や母のこうした配慮が必要になる場合もあります。しかし、特別な事情でもないのに、何につけても先回りしてやっていると、夫や子どもはいつしか「自分のことは自分が主体的に考えてやる」という当たり前のことを忘れてしまいます。
 

完璧でいなくてもいい、「ほどよい妻・母」を目指していきませんか?

談笑する家族

完璧であることをやめると、夫や子どもは楽になる。すると、自然に家庭に笑顔が生まれる


このようにして、妻や母が「よい妻」「よい母」であろうと頑張れば頑張るほど、家族から笑顔が失われている例が、残念ながら少なくありません。そうしたなか、「私がこれだけやってあげてるのに!」という思いを夫や子どもにぶつけても、相手は白けるだけで、お互いの思いがかみ合わなくなってしまうでしょう。

家庭の幸せには様々な形がありますが、家族が心から笑顔になれるために、妻や母にできることには何があるのでしょう?

たとえば、イギリスの児童精神科医ウィニコットは「母親が“ほどよい母”でいると、子どもは自分の力でよく育つ」と言いました。母親が完璧さや「よいこと」を目指して頑張りすぎてしまうと、子どもも「よい子」でいなければと頑張りすぎてしまいます。すると、子どもは自分らしさを失い、家庭が安心できる居場所ではなくなってしまいます。「ほどよい母」については、「子どもが伸びる「グッド・イナフ・マザー」になる方法」でも詳しく解説しています。

夫に対しても同様です。妻が「夫に評価されるよい妻でいなければ」と頑張ると、夫も「妻が評価してくれる“よい夫”として頑張らなければならないのかな?」というプレッシャーを感じてしまいます。逆に、妻が「ほどよい妻」でいてくれれば、夫は「自分もほどよい夫でいていい」「頑張りすぎなくてもいい」という安心感をもつことができます。

家庭における妻・母の役割はとても大切なものですが、自分自身が完璧を目指すことをやめ、「ほどよい妻」「ほどよい母」でいることができれば、家族も「ほどよい夫」「ほどよい子」でいることができます。すると、家庭はやすらぎとくつろぎの場、エネルギーをチャージできる場になるでしょう。
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