ストレス/身近な人のストレスケア

あなたの好意が、他人のストレスになるとき(2ページ目)

人に親切にしても見返りがないと、つい「~してやったのに」と思って無念さがつのりませんか? これは、あなたの心に“渇いた欲望”がある証拠です。それはどんな心理なのでしょう?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

人に何かをするだけで
単純に「幸せ」と思えるか?

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ニセモノの恋愛では、ニセモノの好意がよく交わされている
「渇愛」には際限がありません。
「こんなに素敵なおもてなしをした私、すごいでしょ?」
「誰よりも気の利くプレゼントをした俺を、もっと尊敬してよ」
このように、愛されたい、認められたいという気持ちは、どんどんエスカレートしていきます。

そして、好意をかけた分だけ、感謝されなかったときの無念さは強くなります。渇愛の強い人は、見た目にも優しさや余裕が感じられなくなりますが、それを「知らぬは自分ばかり」なのです。

「渇愛」によってかけられた好意は、いわばニセモノの好意。受け手にとっては、これは「押し付け」に他なりません。

では、ホンモノの好意とは、どんなものでしょう?それは「慈悲」の心によるものです。慈悲とは、見返りを期待しないで与える心のこと。感謝されなくても、尊敬されなくてもいい。ただ、相手のためを思い、愛情をかけることです。

 

ホンモノの好意を実践しよう!

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他人を招くときには、ぜひ「慈悲」のおもてなしを!
渇愛から卒業するには、どんなことを心がけたらいいのでしょうか?それには、以下の3つのポイントを覚えておくといいでしょう。

● 好意は「美意識」としてかける
人に何かをしてあげるときは、相手の反応や感謝を期待せず、自分の心の「美意識」として行うことが大事です。

● 損得で考えない
「これだけの好意をかけたら、困ったときに助けてくれるだろう」と思うこと自体、もう渇愛です。損得を考えずに相手のことを思って何かをすれば、自然に他人は感謝します。そして、自分が苦しいときには、手を差し伸べてくれます。

● 人が喜べばそれでOK
「喜んでくれれば、それだけでうれしい」。純粋にそういう気持ちになれれば、慈悲に近づいている証拠です。

このように、自分の心の奥にある渇愛に気づき、少しでも慈悲の心で接する気持ちを持つことです。すると、以前より確実に人間関係もよくなっていくでしょう。
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