親しき仲こそ、効果的な「クレーム」を
長く付き合うからこそ、クレームを伝え切るべし |
あまり重要でない関係なら、受け流してしまえばいいでしょう。でも、ずっと付きあっていく間柄なら、「こうされるのはイヤ」「こういうのは不快」と「クレーム」を伝えることはとても大事です。
とはいえ、親しい間柄の「クレーム」は難しいもの。結局は気持ちを伝えきれず、感情的な行き違いを起こしてしまう方が多いものです。逆に、しっかり伝え切ることができれば、関係は何倍も温かくなります。
こんなクレームはNG!
怒りの前に湧いた感情に気付いてる? |
『親業』の著者であるトマス・ゴードンは、怒りは2次的感情であり、怒りの前に最初の感情があると言いました。実際に、あなたが最近怒った内容を思い出してみてください。怒りの前に湧いている感情があるはずです。たとえば、こんな感情ではないでしょうか?
(最初の感情の例)
● 約束の時刻までに帰ってこない夫 →「いつ帰ってくるのかなぁ?」
● 言ったことを守らない子ども →「あ~あ」「がっかり……
● 勝手なことばかりする友人 →「悲しい」「ひどい」
クレーム・テク1:「最初の感情」を伝える
怒りばかりを伝えてしまうと、あなたが一番伝えたいメッセージが相手に届かないのです。ゴードンは、怒りを伝えているときには、「あなたはこうだ」と非難するメッセージ(「ユー・メッセージ」)になっており、自分の思いを伝えるメッセージ(「アイ・メッセージ」)になっていないと言いました。
クレームをつける最初のステップでは、怒りの前の感情に着目し、それを伝えることが大事なのです。
(クレーム例)
● 約束の時刻までに帰ってこない夫
→NG:「約束したんだから、守ってよ!」
→OK:「いつ帰ってくるのか、すごく不安だった」
● 言ったことを守らない子ども
→NG:「言われたことを守らなきゃダメでしょ!」
→OK:「お母さんはがっかりしたわ……」
● 勝手なことばかりする友人
→NG:「自分勝手な人は、嫌い!」
→OK:「○○されて悲しかった」