ストレス/女性に多いストレス

「オス化する女子」の心身的健康リスクとは?(2ページ目)

古くは「おやじギャル」、今は「働きマン」に象徴されるように、働く女性の「男性化(オス化)」が進んでいます。ヒゲが生え、闘争的でイライラしている自分に気付く女性も少なくないのでは? その心身に潜むリスクとは?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

女性らしさを醸し出す時間も大切に

女性らしさを大事にする時間も忘れずに

女性らしさを大事にする時間も忘れずに

女性が男性と同様に働き、同じような行動パターンをとる権利を獲得したのは、社会に行きる女性たち自身の願いでもありました。同等の条件が整備されれば、同等の能力を発揮して成果を生み出せるという数々の実績が、いわれのない「女性劣等論」への強硬な反論にもなってきました。

とはいえ、それと同時に、今まではなかったような代償も受けとるようになりました。たとえば、男性的な社会に適応することによって、ストレスが増悪して現れる体調の変化(男性ホルモンの影響によるアゴひげ、アゴにきびなどの顕在化、女性ホルモンの分泌の乱れによる生理不順、婦人科系疾患、不妊など)、結婚・出産という女性にとっての一大事業のタイミングを逃す可能性への覚悟、などです。

そして、もう一つ女性の特徴でもある「女性らしさ」を熟成させ、表現する機会を失いつつあることも、女性が男性化することで払ってきたひとつの代償でもあります。

「女性らしさ」とは、実利的な成功やそれによる喜びとは無関係に、女性のなかにあるひとつの才能です。それが育まれるのは、プライベートでほっとできて安らげる自分の場所。優しくリラックスした気持ちになれて、その優しさを人に与えて、そして周りからも優しさをもらえる時間のなかにあるのではないでしょうか。

常に競争にさらされて、安らぎを感じられない環境では、男性的な闘争心や行動力は磨かれていくかもしれません。しかし、その反面、女性的な柔和さや優しさ、ときに人や環境に合わせていくしなやかさ、といった女性的なマイルドな感性は育ちにくいものです。

女性らしさを育む時間こそ、生涯を女性として生きる自分自身の心身のバランス感覚を養っていくもとになる------そんな時間を意識して持つことが、女性の心身の健康を保つためにも大切なのではないでしょうか。
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