「ワタシのアゴにひげが生えてきた!?」
男性化した生活を送っていると、本当にヒゲが生えてくる!?
その端緒は、90年に漫画家・中尊寺ゆつ子さん(2005年没)が流行させた「おやじギャル」現象でしょう。中年男性のように、仕事帰りに一杯飲み屋でビールをキューッとやって憂さを晴らしたり、2日酔いにはキャベジン、仕事疲れの翌朝にはユンケルを飲んで会社に向かう働く女子の姿が、90年代頃からたくさん目にされるようになりました。
そして現代では、男性的な行動パターンを持つ女性の姿はさらに精鋭化しつつあります。その象徴は、漫画家・安野モヨコさんが描いた寝食を忘れて仕事に打ち込む『働きマン』的なキャリア女性の姿、その路線の延長線上には、夫に頼らず、飛び抜けた収入や成功を手にする喜びを訴える経済評論家の勝間和代さんのようなバリキャリ、ミリオネーゼのロールモデルがあります。
パソコン、携帯機器メーカーのNECが25~35歳の未婚女性500人を対象に行った調査(2009年)によると、「自分はオス化している」と答えた女性は6割に上り、3割の女性が身の回りの世話をしてくれる「奥さんが欲しい」と回答しました。さらに、なんと「アゴにひげらしいものが生えてきた」と回答した人は、15%にも上りました。
なぜ男性化する女性が増えているのか?
多くの職場では、男性向きのワークスタイルをとらざるを得ない
女性が男性と同等に働き、評価される権利を得ることはすばらしいことなのですが、現代の多くの仕事では、男性の行動にあったワークスタイルが求められ、職場は男性にあった環境になっています。
そのため、男性と同じ条件で働こうとすると、当然、女性も男性化した行動様式をとらざるを得なくなります。そしてもちろん、ビジネスにおける過酷な生存競争、成功へのプレッシャーにも、さらされることになります。
仕事での可能性を拡げて報酬も伸ばしていけることは、好奇心が刺激されてやりがいを感じる一方で、行動自体が男性化しやすく、また仕事の分野で生き残っていくことには、それ相応のストレスが増えることでもあります。