家族のストレスは、家庭のコミュニケーションの不和が生み出していることが多いもの。どんなコミュニケーションが問題なのか、またそれを解決する代表的なアプローチについて紹介したいと思います。
 

問題となる家族のコミュニケーション

口と行動が正反対だと、家族の心は不安定になる一方
口と行動が正反対だと、家族の心は不安定になる一方
● コミュニケーションのゆがみ

家族関係が原因になって、家族の誰かが心理的な問題を抱えることがあります。引きこもり、家庭内暴力、各種依存症などはその一例です。しかし、問題を起こした本人だけを治そうとしても、その問題は解決せず、逆に悪化することが少なくありません。

たとえば、学校に行くのが嫌で引きこもってしまう子どもに、頭ごなしに叱ったり心配しすぎたりすると、子どもはますます心を閉ざしてしまい、引きこもりから抜け出せなくなることがあります。

たとえば、買い物に依存する妻に対して、ただカードを取り上げるだけで何もフォローをしないでいると、反道徳的な行動でお金を手に入れようとしたり、別のはけ口に依存しようとすることがあります。

こうしたケースは、本人自身だけの問題でなく、家族のコミュニケーションにゆがみがあることによって生じている場合が多いのです。


● ダブルバインド(二重拘束)

家族の心を不安定にさせるコミュニケーション・パターンに、「ダブルバインド」(二重拘束)があります。これは、本心では「NO」なのに、口では「YES」と言うように、言葉と感情が矛盾している伝え方です。

たとえば、「休日に友達と遊びに行っていい?」と聞く子どもに、「いいわよ、でも、それであなたはそれで本当にいいの?」というように答えると、子どもは親の本心は「YES」と「NO」のどちらなんだろう?と混乱し、いつも親の顔色を窺うようになります。

また、夫から口では「愛してるよ」と言われているのに、休日にはいつも1人で出かけてしまう場合、妻は夫の本心を理解できず、常に不信感を持ち、精神的に不安定になりやすくなります。

このような矛盾したコミュニケーションが続くと、受け手は家族とのやりとりに安心感を持てなくなってしまいます。