人は、成長に伴って向き合う悩みやストレスが異なります。発達心理学では、発達段階ごとに対峙すべき発達課題は異なると考えられています。誕生から老年までの課題とそのストレスの一例を、簡単に解説しましょう。

子ども世代の発達課題とストレス

子どもにも発達段階に応じたストレスがある
子どもにも発達段階に応じたストレスがある

● 乳児期(誕生~1歳未満)
赤ちゃんは、泣いたりぐずったりすることで、自分の欲求を周りに伝えます。このときにいつも応えてくれる人に「愛着」(アタッチメント)を感じます。
この時期に、養育者等からの十分な接触が得られず、愛着を実感できないでいると、身体的、精神的な発達が妨げられてしまうことがあります。

● 幼児期(1歳~小学校入学前まで)

自他の区別がはっきりし始め、3歳頃までに「イヤ!」「これは私の!」というような激しい自己主張をします。これを第一反抗期と言い、「自立」への大切な第一歩です。これを養育者が受け入れず、過剰に抑えつけすぎてしまうと、それが欲求不満となって後々まで尾を引くことがあります。

また、この頃には「遊び」を通して社会性の基礎を身につけますが、子ども同士の自由なやりとりが妨げられたり、過剰な教育を一方的に与えられたりすると、社会性が育たず、後々に影響を及ぼすことがあります。

● 児童期(小学生時代)

この世代は「ギャングエイジ」と言いますが、これは、同性・同年齢の一定のグループ(ギャング集団)をつくって、社会性を発達させていくことによります。
このグループでルールの順守や役割への責任感などを学びますが、「仲間外れ」や「いじめ」が起こることもあります。この時期に、そうした被害に遭うと、それが後々までトラウマとして残る場合があります。

● 青年期(中学生~20歳未満)

児童期の後半から青年期の初期にかけては、生理的な変化が訪れます。これによって、大人に近づいていることを意識し始め、心理的にも不安定になります。これが「思春期」です。また、青年期の初期は、大人に対して批判的になることから、「第2反抗期」とも呼ばれています。
青年期には、「自分とは何か」「どう生きるべきか」という「アイデンティティ」を真剣に考えるようになり、親とのぶつかり合いを経験しながら自立を目指します。しかし、この時期が長引きすぎて、「モラトリアム」からなかなか抜け出せない人もいます。