アトピー性皮膚炎/イベント・行事参加の注意

乾燥・温度差に注意! 飛行機内の過ごし方(2ページ目)

夏休み! 飛行機で旅行に出かける人も多いのではないでしょうか? 今回は、アトピーがあるときの飛行機での注意点を説明したいと思います。アトピーでないご家族の方も必見です。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

持って搭乗したい5つのアイテム

いろいろと役に立つタオル
  • 保湿剤(尿素・ワセリン・オイルなど)
  • ペットボトル(500ml程度が持ち運びに便利)
  • 薄手の上着(綿がいいでしょう。スーツケースに入れてしまわないように)
  • 肌用の化粧水(スプレータイプの保湿水や普段使っている化粧水)
  • 清潔なタオル(汗を拭いたり、洗顔時に使用できます。防寒にも使えます)

このようなアイテム、機内持ち込み荷物に入れておきましょう。

肌へのケアも重要ですが、飛行機では、危険な病気に対する予防が重要です。エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症)です。この病気は命にかかわりますし、飛行機の中では、医療器具や医療スタッフが常時十分にあるわけでは無いので、予防が重要です。

エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症)への対策

飛行機で一番に問題になるのが、エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症)です。エコノミークラスの狭い椅子でなかなか体が動かせない状況で、血液の流れが悪くなって起きることからエコノミークラス症候群と呼ばれています。エコノミークラスだけに起こるわけではなく、ファーストクラスでも注意が必要です。この病気は、静脈に血栓が生じ、その血栓が肺に行くと、肺塞栓症を起こします。肺塞栓症は、肺への血管が血栓で詰まってしまい、呼吸困難、胸痛を起こし、命にかかわる危険な病気です。予防のために、最近は、フライト前のビデオでこの病気について説明がありますので、確認しておきましょう。簡単な対策を挙げておきます。
  • 長時間同じ姿勢をしない
  • 体をなるべく動かす(特に足の運動)
  • 水分を摂取する
  • アルコールはほどほどに(アルコールには利尿効果があるので、利尿により血液中の水分が出てしまいます)

  • など


以上のことを注意すれば、飛行機に乗って、楽しい夏休みが過ごせます。ぜひ、楽しい旅行を。Good Trip!


豆知識
エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症):深部静脈血栓症。足の静脈に同じ姿勢をしていて、水分不足になると、血栓を作りやすくなり、血栓が、肺に移動して、肺の血管が詰まって、肺塞栓症を起こす。



<アトピーのウソ?ホント?シリーズ>
【第1回】怪しい民間療法の見分け方
【第2回】漢方薬でアトピーは治るの?
【第3回】水でアトピーが治るの?
【第4回】アトピーでも海や川に行けるの?
【第5回】アトピーでも山に行けるの?
【第6回】アトピーでも運動会も大丈夫!
【第7回】アトピーでもペットは飼えるの?
【第8回】カニ・エビアレルギー
【第9回】アトピーでもスキーは大丈夫?
【第10回】黄砂が飛ぶと、アレルギーが悪化!?
【第11回】予防接種の注意点 特にアトピーでは
【第12回】花火を快適に楽しもう!
【第13回】乾燥・温度差に注意! 飛行機内の過ごし方

<参考リンク先>

旅行前にご一読 エコノミークラス症候群(All About(女性の健康))

エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症):その実態と予防法

エコノミークラス症候群
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