天才数学者ジョン・ナッシュに起こった悲劇と奇跡
天才数学者ジョン・ナッシュに起こった悲劇と奇跡
2002年のアカデミー賞4部門を受賞した映画『ビューティフル・マインド』は天才数学者ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)が統合失調症を発症した後、苦しい生活を送りながらもノーベル賞を受賞した実話に基づいています。この映画を見て初めて統合失調症はどのようなものかイメージできた方もいらっしゃることでしょう。今回はジョン・ナッシュの病気発症からノーベル賞受賞までを心の病気的視点から振り返ってみたいと思います。


風変わりで人付き合いが苦手だった学生時代

アメリカ東部のウエスト・バージニアからプリンストン大学に数学を学びにやって来たジョン・ナッシュ。背は高く、ハンサムではあるが、風変わりで人付き合いは苦手。女の子に興味がないことはないが、どう声をかけてよいのかわからない。いつも、研究に没頭していて、図書館と自室を行き来して、一日がおしまいという感じの生活を送っていました。この時点では、確かにちょっと変わった人ではありますが、心の病気とは言えないでしょう。「天才的な人ってこうなのかな?」で済んでしまうと思います。


画期的な研究成果、結婚、そして、病気の発症

ジョン・ナッシュは数学のゲーム理論を経済学に応用した画期的研究によって学位を取得した後、MITの研究所に行きました。周囲の人には、順調に研究生活を送っているように思われていましたが、その頃、彼は既に非現実の世界に足を踏み入れていたのです。その非現実の世界では、彼はアメリカとロシアとの冷戦に巻き込まれ、暗号解読の極秘任務に就いていました。また、彼の目に映る周囲の世界は次第に不気味さを増していきます。

そんな時、彼の前に現れた女子学生アリシア(ジェニファー・コネリー)。風変わりな彼の様子に、かえって、好感を抱き、ジョン・ナッシュも彼女を好きになりました。二人はデートを重ねるようになり、やがて、結婚しましたが、非情にも、非現実世界が彼を現実から引き離していきます。周囲の目にも彼の異変はあきらかになり、彼は無理やり病院に連れて行かれました。

>>次に病気発症後からノーベル賞受賞までの軌跡を述べます。>>

<注>右上の写真は、ビューティフル・マインド (Amazon.co.jp) から引用しました。