天才数学者ジョン・ナッシュに起こった悲劇と奇跡 |
風変わりで人付き合いが苦手だった学生時代
アメリカ東部のウエスト・バージニアからプリンストン大学に数学を学びにやって来たジョン・ナッシュ。背は高く、ハンサムではあるが、風変わりで人付き合いは苦手。女の子に興味がないことはないが、どう声をかけてよいのかわからない。いつも、研究に没頭していて、図書館と自室を行き来して、一日がおしまいという感じの生活を送っていました。この時点では、確かにちょっと変わった人ではありますが、心の病気とは言えないでしょう。「天才的な人ってこうなのかな?」で済んでしまうと思います。画期的な研究成果、結婚、そして、病気の発症
ジョン・ナッシュは数学のゲーム理論を経済学に応用した画期的研究によって学位を取得した後、MITの研究所に行きました。周囲の人には、順調に研究生活を送っているように思われていましたが、その頃、彼は既に非現実の世界に足を踏み入れていたのです。その非現実の世界では、彼はアメリカとロシアとの冷戦に巻き込まれ、暗号解読の極秘任務に就いていました。また、彼の目に映る周囲の世界は次第に不気味さを増していきます。そんな時、彼の前に現れた女子学生アリシア(ジェニファー・コネリー)。風変わりな彼の様子に、かえって、好感を抱き、ジョン・ナッシュも彼女を好きになりました。二人はデートを重ねるようになり、やがて、結婚しましたが、非情にも、非現実世界が彼を現実から引き離していきます。周囲の目にも彼の異変はあきらかになり、彼は無理やり病院に連れて行かれました。
>>次に病気発症後からノーベル賞受賞までの軌跡を述べます。>>
<注>右上の写真は、ビューティフル・マインド (Amazon.co.jp) から引用しました。