「検討してもいいかも」のあなたに
マンション価格の下落が顕著です。景況感が過去最悪の水準になる中、目立って価格を下げるマンションが増えてきています。新規発売マンションの価格設定も慎重になりつつあり、中古マンション価格の下落も続いています。マンション価格以上に、土地価格や戸建て価格も下落トレンドにあり、1年前と比べて様変わりしたマンションマーケット。「この価格なら、マンション購入は随分先だなあ」と思っていたあなたも、「検討してもいいかも」と考えているかもしれません。とはいっても、急がば回れのことわざもあるように、こういう時期だからこそマンション購入のしっかりした「モノサシ」を持ってのぞみたいもの。初心者の方向けにガイドが思う、マンション購入の「イロハ」を紹介します。
イロハの「イ」は『いつ』
いつ買うかの判断は、永遠の悩み。自分の買い時と時代の買い時が一致した人は運がいい |
今回の不動産価格の上昇をミニバブルと例えると、前回のバブル期(昭和62年)に都心でマンションを買った方はほとんどの方が大きく資産価値を目減りさせています。坪単価1000万円超の販売が当たり前の時代。逆にその価格で買えた人はかなりの資産家だったのでしょう。逆にまだ工場の多かった当時の江東区のマンションは坪単価100万円台後半。さすがに買った値段で売れるマンションは少ないとは思いますが、当時の供給マンションの中では価値維持率は高いのではないでしょうか。
今回のミニバブル崩壊の現場では、収益物件の下落が顕著です。昨年秋の鑑定評価額より3割近く下落して売却された上場リートの収益物件もあります。この秋にリファイナンス(借り換え時期)を迎える物件もかなりあるらしく、市場に出回る収益物件はさらに増えるとの観測もあります。
景況感がここまで悪化したのは、オイルショック以来とのことですが、74年のオイルショックで75年当時の公示地価は、東京圏住宅地で-11.5と急落し3年ほど、上昇が緩やかでした。今回の状況は前回以上の景況感悪化で、当面価格トレンドは低調に推移するかも知れません。
但し、現在の価格水準が事業性を無視した、売り手の売り急ぎによる慈善事業のような価格設定も一部には見うけられるので、物件によっては本当に買い得かも知れません。
いつの時代もその時の時価で取引され、安くも買えないし高くも売れないものです。一般的に住宅の賃料は変動が小さいので、価格が安い方がパフォーマンスは大きくなります。
一般的な「いつ」は、35歳前後が多い
購入時期は、35歳前後の方が多いようです。フラット35利用者調査(出典:住宅金融支援機構)平成20年10月~12月によると新築マンションの購入者の平均年齢は、首都圏で38.7歳。但しこれは平均値で、20代・30代で全体の約6割を占めます(但し1年前の約68%よりは低下)。結婚の平均年齢が31.7歳(平成18年度『婚姻に関する統計』)であることを踏まえると、結婚して3年目ぐらいが一つの目安かもしれません。ちなみに家族数が3人以上は42.5%で、単身の方の購入比率が中古・新築ともに約4分の1で増えているようです。ちなみに自己資金は、平均すると2割以上。購入資金の準備ができ、将来的な見通しがある程度たった時期がひとつの買い時といえるのかもしれません。
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