飲酒・アルコール/飲酒・アルコールの健康効果

飲酒習慣で心筋梗塞を予防?!(2ページ目)

北欧で50歳以上を対象とした報告ですが、飲酒習慣が冠状動脈疾患を男女共に予防する事がわかりました。お酒好きには嬉しい報告ですね。とはいっても、適量飲酒を心がけましょう。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

50歳以上では飲酒は冠状動脈疾患を予防!

ビール・赤ワイン・白ワイン
飲み過ぎには注意!
北欧で50歳以上の男女を対象として、飲酒習慣と冠状動脈疾患の関係を検討しました。1週間にお酒を飲む回数と飲む量を調べたところ、飲酒する人はまったく飲まない人と比較して、明らかに冠状動脈疾患が少ないという結果となりました。これは男女共に同じ結果です。

飲酒習慣についてさらに詳細を見ると、男女で少し異なった結果となっています。男性の場合は、飲む回数/1週間が多いほど冠状動脈疾患が少なくなる一方、女性の場合は、飲む回数ではなく、飲む量/1週間が多いほど冠状動脈疾患が少なくなるという結果だったのです。

適量飲酒を心がけましょう!

お酒が好きな人は、「やはり酒は百の長!」と飲酒正当化の根拠にしそうな報告ですね。

ただし、注意して頂きたい点が2点あります。

1点は、今回の報告は、50歳以上の人を対象としたものということ。50歳以上の飲酒習慣と冠状動脈疾患の関係について解析しただけで、50歳未満の人についてはまったく触れられていないのです。若い人に飲酒を薦めているわけではなさそうです。

もう1点は、北欧では日本人よりも冠状動脈疾患が数倍多いという点です。日本人では、飲酒と虚血性心疾患との関係の報告はありますが、疾患になる人が少ないので飲酒回数・飲酒量を分けた解析まではされていません。

飲酒にひきかえ、喫煙は冠状動脈疾患の危険因子になることが明らかです。煙草を吸わないという前提付きならば、いわゆる適量飲酒は冠状動脈疾患の予防になる可能性があると考えてよいでしょう。


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