撮影によるフォトセラピーは、美しく写真を撮るのが目的ではなく、自分が感じた感動をそのままカタチに残すことにあります。だから、「上手い」「下手」の問題ではなく、被写体を「どのように切り取るか」が重要なのです。
たとえば、「きれいなもの」というテーマで同じ「木」の写真を撮る際にも、木肌をクローズアップして撮る人もいれば、葉を通して見える木漏れ日を撮る人もいます。どんなことに「きれい」を感じるのか、その思いが如実に表れている写真であることが重要です。そこに写された自分の心の動きを読み解くことが、セラピー効果につながるのですから。
「イチバン」の写真が
自分をポジティブにしてくれる
前編にも登場したなかにしさんのポートレイト。キリッと先生らしい表情です。「緊張気味ですが、撮影して気持ちが引き締まりました」 |
---たとえば、「自分に自信がない」「自分が嫌い」という人は、「撮る」フォトセラピーによって何か変われますか?
自分で撮って自己表現をするのもいいですが、ぜひ「撮られる」体験をしてみるといいと思います。
どんなに自分に自信がない人でも、カメラを向けられれば、できるだけいい顔、良い姿で映してもらいたいと思いますよね。そのポジティブな気持ちを持ち続けることが、自分をよりよく変えていくために必要なのです。
同一人物でも表情が変わるとまったく違う印象に。「良いことがあると、ポートレイトでもつい笑顔がこぼれます。この写真を見ると、また笑顔に!」 |
ぜひ、一番お気に入りの服を着て、友だちとお互いのイチバンの表情を撮り合ってみましょう。そして、撮った写真からお互いのチャームポイントを指摘しあうといいでしょう。自分では、自分の表情の悪い面ばかりが目についてしまうもの。でも、友だちなら、あなたのステキな表情、個性的な面をきちんと見つけ、指摘してくれるでしょう。
さらに、自分のイチバンの写真は、カードサイズにプリントして名刺入れに入れたり、ハンドミラーに貼って持ち歩くといいですよ。大切なプレゼンやデート、合コン、面接の前などの「勝負日」には、写真と同じ表情を鏡に向かって再現してみるのです。
自分の頭の中だけで、気持ちをポジティブに維持するのは、結構大変なもの。でも、ステキな表情で笑っている自分のイチバンの写真があれば、凹みそうなときでも容易に気持ちをポジティブにできます。お守りみたいなものですね。
生活習慣を見直すこともできるフォトセラピーとは?>>次のページへ