「撮る」フォトセラピーの
基本は4つの「S」
「撮る」フォトセラピーは、とても身近な行動療法 |
---フォトセラピーを積極的に体験するなら、まず自分で写真を撮ってみるとよいのでしょうか?
そうですね。撮影は、最も能動的なフォトセラピーです。前回にもお伝えしましたが、自分で撮影してみることで、自分の見方や感性、気持ちに気付くことができます。
撮影によるフォトセラピーの基本は、とても簡単。次の4つの「S」を意識して実行することです。
(1) SEARCH(サーチ)---何か一つの「テーマ」を決め、それに合った被写体を探す
(2) SHOOT(シュート)---「これは」と思ったものを、自分の目線で撮る
(3) SELECT(セレクト)---撮った写真の中から、保存したいものだけを選ぶ
(4) SPEECH(スピーチ)---どうしてその写真を選んだのかを話す
漠然と撮るのではなくて、自分が今何をしているかを意識することで行動療法的効果がUPします。また、撮った写真について話し合うためにも、1人ではなく友だちや家族を誘って撮影してみるのがいいですね。一つのテーマを決めて、同じ場所、同じ時間、同じ場所で撮影してみましょう。同じテーマでも、人によって選ぶ被写体はさまざま。一人ひとりの個性の違いを実感することができますよ。
「大切な時間」というテーマで、あなたはどんな写真を撮りますか? |
一般的な写真サークルなどでは、「梅の花」「富士山」というように、対象を具体的に決めてしまうことが多いですね。しかし、フォトセラピーは言わば、対象を見たその人の「心」を映し出すものですから、もっと抽象的なテーマの方が適しています。
「きれいなもの」「面白いもの」「不思議なもの」というように、個々人の考え方や感性、気持ちが反映されやすいテーマを選ぶといいでしょう。たとえば、「大切な時間」というテーマは、その人の人生観や価値観が現れるので、人生の節目に撮ると大きな「気付き」を得られます。
撮った写真について、後で「こんな風景を“きれい”と感じるんだ」「どうしてこれが“面白い”と思ったんだろう?」というように、自分の「思い」を振り返りやすく、また他人も質問しやすいテーマにするのが、大切なポイントです。
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