ストレス/ストレス発散・解消法

子どもから夫婦まで、ふれあいはみんなに必要 大人こそ意識的なスキンシップを

成長するとともにいつのまにか少なくなってしまったスキンシップ。ふれあいが少なくなると、心身のトラブルにもつながっていきます。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

抱き合える人がいますか?
ふれあえる人がいますか?

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セックスだけではない、“抱きしめられる”体験は誰にでも必要
不安で不安で仕方ないとき、悲しいときや不安なとき、信頼する誰かにギュッと抱きしめられたら、気持ちが落ち着いていきますよね。それだけでも、当面のストレスはすっと解消されていくことも多いと思います。

あなたには、いまそんなあなたの心を受け止めて、抱きとめてくれる人がいますか?

幼い子どものうちは、たくさんの人に抱きしめてもらったけれど、大人になった今、気がつけば無条件にギュッと抱きしめてくれる人がいなくなった、という人は多いのではないでしょうか。

大人になってからのスキンシップ、というと、どうしてもセックスを介したものばかりを想像していませんか?本当は、純粋に「いい子、いい子」されるように髪をなでられたり、体ごと包み込んでもらいながら眠りにつく、という経験こそ必要としている人が多いのではないでしょうか。


子どもにとってなによりの“栄養”
「マザーリング」

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触れられる体験がないと、人間は育たない
幼い子どもの場合、お母さん(もしくは母親の代わりとなる養育者)によるスキンシップ(マザーリング)が不足すると、心身の発達に大きく影響することがわかっています。

20世紀初頭には、乳児院や孤児院で育った子どもは死亡率や病気の罹患率が高かったそうです。こうした施設では、予防などの医学的措置をとっても効果は上がらなかったそうです。しかし、一部の施設でスタッフが子どもに個人的に接したり、スキンシップをとったところ、死亡率が減少したのです。

このことからも、心だけでなく身体の発達にも、スキンシップがいかに大切かがわかります。人間は草木でも、家畜でもありません。ただ子どもを保護して食事を与え、基本的な生活を保障すれば育つというわけではないのです。

しかし、スキンシップは子どもの発達にだけ必要なものでしょうか? 孤独感を感じている大人にも、子どもと同じようにスキンシップは必要なのではないでしょうか? それについては、次のページでみていきましょう。

次のページでは、日本人のスキンシップ不足、セックスレスより重要なものとは?についてお話いたします>>次のページへ
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