働き方、結婚、出産……変化を伴う女性の人生とストレス原因

考え事をする女性

意外と多い女性ならではのストレス……。上手に対処していく5つのコツとは?

女性の人生には、女性ならではのストレスポイントがたくさんあります。たとえば、結婚や出産、パートナーの転勤、親の介護などの大きなライフステージの変化によって、それまでの自分の人生が一変しやすいことも、その一つです。

また、ジェンダー(社会的性差)による差別や偏見によるストレスにさらされやすいことも、大きなストレス要因の一つです。「女性だからこうすべき」「女性はこれをしてはいけない」といった考えは偏見であり、働く人にはこうした意識をなくしていくことが求められるようになりました。しかし、一般社会の中ではこのような偏見を持つ人はまだまだ多く、そうした意見に振り回され、息苦しくなっている女性は少なくないものと思われます。

それだけではありません。女性にはたとえば主婦として、母親として求められる行動が非常に多く、負担に感じている方が少なくありません。共働きの場合、家事や育児、介護は夫婦で平等に分担して行うのが道理なのですが、実際には女性が主導して進めなければならない場面が多いものです。なかには、育児と介護を両方を同時に担う「ダブルケア」に直面している方もいます。

こうしたなか、心身ともに疲れ切ってしまう人は少なくありません。

月経、出産、更年期などホルモンが影響する女性特有の心のトラブル

また、女性の身体は月経周期のほか、妊娠・出産、更年期などのホルモンの変化に大きな影響を受けます。こうしたホルモンの影響によって疲れやすさを感じたり、精神状態が不安定になる方は少なくありません。たとえば、感情の不安定さ、苛立ち、抑うつ、不安などのほか、興味の減退や集中困難、倦怠感、食欲変化、過眠または不眠などの症状があります。

特に以下の3つは、女性ホルモンが影響する心身のトラブルの代表としてあげられます。

■月経前における心の不安定さ
排卵・月経によってホルモンのバランスが変化することにより、月経前に精神の状態が不安定になるトラブルです。「月経前不快気分障害」と呼ばれます。通常は、月経開始から数日以内に軽快し始め、月経終了後の週には最小限になるか消失します。

■産後の心の不安定さ
産後の心の不安定さには、ホルモンバランスの乱れに加え、出産と育児の疲れ、育児への不安などが大きく影響します。産後約3~10日ほどの間に経験する軽い抑うつ症状が「マタニティブルー」です。ほとんどの場合、2週間以内に自然に治まりますが、それ以上続くとうつ病の可能性もあります。

■更年期における心の不安定さ
閉経を挟んだ約10年ほどの期間を「更年期」といい、この期間に起こる心身のトラブルを「更年期障害」といいます。のぼせやめまい、多汗、食欲不振、肩こりなどの身体症状とともに、抑うつや不安などの精神症状が顕著になることもあります。

このような心身のトラブルに心当たりのある人は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。ホルモンバランスを整える薬や精神を安定させる薬を使用しながら治療していくのが、一般的です。

女性のストレス対策、日常生活の5つのポイント

では、女性がストレスを上手に解消し、疲弊するのを防ぐためには、日ごろからどのようなことを心がけるとよいのでしょうか? ここでは、5つのポイントをご紹介しましょう。

1.  すき間時間に気晴らしをする
忙しい女性は、まとまった気晴らしの時間をとりにくいものです。そうした場合、すき間時間を上手に利用して、好きなことで気晴らしをしましょう。時間の空いたときにすぐに気持ちを楽にできるよう、身の回りに気晴らしができるアイテムを置いておくとよいでしょう。

2. 多様な意見に惑わされない
育児や家事について多様な意見を聞くと、何を信じたらよいのか分からず、あせりや不安が高まる方もいるでしょう。過剰な情報にさらされていると、心の負担が増えてしまいます。自分が納得できること以外の情報は、適度に聞き流していきましょう。

3. 休めるときにはしっかり休む
睡眠時間を削ってまで、家事などを完璧にこなす必要はありません。「疲れたな……」と思ったら、早めに就寝し身体を休ませましょう。少なくとも、1日6時間の睡眠時間は確保したいものです。仕事中、家事においても疲れを感じたら休息をとり、何でも完璧にこなそうとしないようにしましょう。

4. 自分ひとりで抱え込まない
強い責任感によって、多くの役割を一人で担っている女性は少なくありません。家族や地域のサポート資源を積極的に活用し、何もかも自分だけで遂行しないようにしましょう。人の手を借りることによって周囲とのコミュニケーションが円滑になると、より心の負担が軽くなります。

5. 優先順位を明確にする
「今週はこれだけしっかり行えば、他のことが中途半端になってもよい」というように、優先順位を決めて行動することが大切です。「自分の体は一つしかない」「1日は24時間しかない」という事実をいつも心に留めておきましょう。

たとえば、以上のようなポイントで上手にストレスを解消させていくことがお勧めです。

とはいえ、睡眠が十分にとれない、1日中気分が晴れない日が続く、あせりや不安が止まらない、物事に集中できない、といったことが続く場合、専門医を受診することが大切です。婦人科系のトラブルが影響している場合には婦人科(必要に応じて精神科を紹介してもらうこともできます)、心理・社会的な要因による場合には精神科を受診し、早めに医師に相談してみてください。
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