ストレス/ストレスチェック・自己診断

自分の中に潜む「5つの顔」を見つけよう!(2ページ目)

誰の心の中にも「5つの顔」があることを知っていますか? どの顔が強いかを知ることで、人付き合いでとりやすい態度、人から見られる印象が分かります。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド


ドラマのキャラクターも
「5つの顔」に分けられる

人気ホームドラマのキャラクター。あなたは誰に似てますか?
人気ホームドラマのキャラクター。あなたは誰に似てますか?
たとえば、定番のホームドラマを見てみると、メインの登場人物がおおむねこの5キャラに分けられ、際立たせて描いていることが多いと感じます。

今年誕生40周年を迎えた映画『男はつらいよ』のメインキャラクターを私なりに分析すると、次のようになります(重なるキャラクターもあります)。

(1) 【CP】支配的な親(Critical Parent)……おいちゃん、博
(2) 【NP】養育的な親(Nurturing Parent)……おばちゃん、櫻
(3) 【A】成人(Adult)……博、御前様
(4) 【FC】自由な子ども(Free Child)……寅次郎、タコ社長
(5) 【AC】順応した子ども(Adapted Child)……櫻、満男

また、長寿アニメ番組の『サザエさん』を例にとると、こうなります。

(1) 【CP】支配的な親(Critical Parent)……波平
(2) 【NP】養育的な親(Nurturing Parent)……フネ
(3) 【A】成人(Adult)……波平、フネ
(4) 【FC】自由な子ども(Free Child)……サザエ、カツオ
(5) 【AC】順応した子ども(Adapted Child)……ワカメ、マスオ、タラオ

このように、よくできた定番ドラマの中には、交流分析でいうところの「5つの機能」がきちんとメインのキャラクターに振り分けられていて、あますところなく人間関係のやりとりを楽しむことができます。


キャラクターの解釈には要注意!

「あの人は、○タイプだから」と、悪い面ばかりを見つめない!
「あの人は、○タイプだから」と、悪い面ばかりを見つめない!
もちろん、生身の人間のキャラクターは、ドラマのように一元的ではありません。自分の中に色々な面があり、時や場所によって他の個性が現れたり、別の個性が育っていったりします。それこそが、人間の奥深さであり、面白さです。

そのため、「自分はこういうタイプ」「この人はこういう人」と決めつけすぎて、1人の人をいつもその角度から眺めるのはよくありません。また、一つの機能の悪い面だけに注目して、偏見を持つのもよくありません。
5つの機能は、あくまでも人との交流の中で自分が普段とりやすい心の機能を知り、また他人のそれを知ると、人間関係における自分や相手の考え方、気持ちを把握しやすくなる、という点で便利なのです。

この「5つの機能」を知るには、通常、「エゴグラム」というチェックシートを利用しますが、インターネット上でも無料で利用できるものがいくつもありますので、複数試してみるといいでしょう。ただし、シートによって結果がかなり異なり、解釈も正確とは言えないものがあるので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。


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