栄養管理/ビタミン

ビタミンCが発見されたきっかけ~壊血病(2ページ目)

16世紀ごろのヨーロッパの大航海時代、長いこと船に乗っている船員さんの症状から発見されたビタミンとは?

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

ビタミンCが発見されたきっかけ~壊血病

長い航海で不足するものは?
長い航海で不足するものは?
あまりにビタミンCが長期にわたって不足すると、血管の壁を作るモトになるコラーゲンがうまく作られないため、血管が弱くなって血が染み出す、つまり、出血しやすくなることが知られています。このビタミンCがひどく足りない状態、つまりビタミンC欠乏症のことを「壊血病」といい、実に恐ろしい名前ですが、これは読んで字のごとく、「血が壊れる病気」、つまりからだの色々なところから出血しやすくなる病気のことです。

そもそもこの壊血病、16世紀ごろのヨーロッパの大航海時代、長いこと船に乗っている船員さんが、あざを作りやすくなったり、歯茎から出血したり、また疲れやすくなったり、傷が治りにくくなったりすることから発見されたのです。

長い航海での船の上では、色々な栄養素が不足します。新鮮な野菜やかんきつ類などの果物を取ると、この「壊血病」は予防できることが分かりました。このことから、「壊血病」は、新鮮な果物や野菜が不足すること、つまりビタミンCの不足が原因であることがわかったのです。

現代では、アルコールや薬物中毒の方、また極端に食生活が偏っている方などを除き、普通に生活している分には壊血病にはなりませんのでご安心くださいね。


  
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