退職金を積立する「中小企業退職金共済制度(中退共)」
公的な保険は、リスクヘッジだけでなく節税対策としても活用できます
制度の特色の特色は、
- 加入できる企業は中小企業に限定
- 事業主の掛金の一部を国が助成
- 従業員ごとの納付状況や退職金試算額を事業主に知らせてくれるので、管理が簡単
- 掛金は全額費用
- 掛金月額は従業員ごとに選択(5,000円から30,000円の範囲)でき、変更も可能
- 短時間労働者には、一般の従業員より低い掛金月額(2,000円から)
- 原則として従業員は全員加入(役員は加入できない)
- 退職金は従業員の請求に基づき、直接従業員に支給される
取引先倒産での貸付を受けられる「経営セーフティ共済」
経営セーフィティ共済(旧:中小企業倒産防止共済制度)とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営していて、取引先が突然倒産した場合に掛金総額の範囲内で貸付を受けることができる制度です。掛金は全額費用にでき、一定期間加入後に任意解約した場合、掛金の100%が戻ってきます。制度の特色は、
- 加入できる企業は中小企業に限定
- 掛金は全額費用
- 掛金月額は自由に選択(5,000円から80,000円の範囲)でき、変更も可能
- 取引先が倒産した場合、掛金総額の10倍(3,200万円限度)まで借入ができる
- 借入は、無担保・無保証・無利子(ただし、貸付額の1/10に相当する掛金の権利消滅)
- 一時借入も可能
- 解約は、掛金納付月数40ヶ月以上で100%戻る(ただし、1年未満の解約返戻率は0%)
- 「夜逃げ」「内整理」は倒産に含まれないので、借入不可
現在加入している保険も見直しを
法人が保険に加入する場合には、目的に適した保険を選ぶことが重要です。また、節税という観点からは、支払保険料が全額費用となる保険を選ぶといいでしょう。ただし、死亡保険金や解約返戻金については100%課税対象となります。保険は入り口も出口も肝心であることをしっかり頭に入れておいてください。最後に、現在加入されている保険内容についても再度見直しを検討することで、節税につながるかかもしれません。