節税対策/法人税の節税対策

決算直前の節税(2ページ目)

本来、決算対策は十分に期間に余裕をもって行うべきですが、ギリギリになってもできる節税対策があります。今回はそんな「土壇場の節税対策」をお教えします。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

事業年度を変更する

決算期末まで1ヶ月以上ある場合には、事業年度変更を検討することも有効です。毎月順調に利益が出ている会社なら、月数が増えれば増えるほど利益は増えていきます。12ヶ月で決算を組むより、事業年度を変更した上で10ヶ月、11ヶ月で決算すれば、その分利益は少なくなります。事業年度変更により、来期以降また新たに役員給与を再設定できるというメリットもあります。

事業年度は登記事項ではありませんから、変更するに当たっては特に複雑な手続きも必要ありません。定款変更のための株主総会議事録と異動届を各官庁に提出するだけです。

もちろん、事業年度は本来税金を中心に決めるものではありませんから、決算が繁忙期にかからないようにするなどの配慮が必要です。

短期前払費用を活用する

来年分の費用を、前払で計上出来る特例があります

来年分の費用を、前払で計上できる特例があります

決算直前に、1年分の費用を先払いして節税する方法もあります。通常、費用の先払いは前払費用となり費用にはなりません。ただし税務上は「短期前払費用の特例」というのがあり、1年以内の先払いの場合には、原則その支払時の費用として処理できる旨の特例があります。

これを使って、決算期末直前に1年分の費用を先払いすれば来期の費用を先取りすることができます。この特例を使った節税で有名なのが、生命保険と地代家賃の前払です。

例えば、3月決算の会社が3月中に保険料の全額が費用になる生命保険に加入し、1年分の保険料を年払いした場合、その支払った保険料の全額が当期決算において費用となります。

地代家賃も同様です。ただし家賃は通常月払が基本ですので、この特例を使う場合には賃貸借契約も年払いの契約に切り替えておく必要があります。また地代家賃の場合、年払いしてしまうと事務所の移転がしにくくなるなどのデメリットもありますので、注意して下さい。

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