記載金額によって印紙税額が決まる
印紙税の金額を決定するためには、課税文書に該当するかどうかだけではなく、その記載金額が重要になってきます。同じ課税文書となる契約書でも、100万円の契約書なのか1,000万円の契約書なのかで、印紙税の金額は変わることがあります。金額を判断するためのポイントをいくつかご紹介します。■「500万円、ただし取付工事は実費による」と記載した場合
この場合、判断の根拠となる課税文書の記載金額は「500万円」となります。取付工事の方は実費によるとなっていますので、契約段階では金額がわからないためです。
■「単価10,000円 数量500個」と記載した場合
単価と数量で記載している場合には、掛け算をすれば契約金額がわかりますので、それが記載金額となります。この例では10,000×500=500万円となります。
■「契約金額525万円(うち消費税額25万円)」と記載した場合
消費税額が分かる形で区分して記載されている場合には、税抜金額が記載金額となります。この例では500万円となります。
収入印紙を貼っていなかったら
課税文書かどうかを判断し、記載金額がわかれば印紙税の金額が具体的に決定します。印紙税は課税文書の作成者が納税義務者となります。また1つの課税文書を2人以上で共同して作成した場合には、作成者全員が連帯して印紙税の納付義務を負うことになります。ここまでくれば、後は文書に収入印紙を貼るだけですが、貼っただけでは印紙税を納付したことにはなりません。貼った収入印紙に割印を押すことによって印紙税の納付となります(特例として収入印紙を貼らなくても、事前に金銭納付しておくことで貼付が省略される場合もあります)。割印しなければ、収入印紙の使い回しができてしまうからです。
では、印紙税を納付していない場合にはどうなるのでしょうか。まず、収入印紙が貼られていても割印が押されていない場合には、その印紙額面と同額の過怠税が課せられます。つまり、本来支払うべき金額の倍を支払わなければならないということです。そもそも収入印紙を貼っていなかった場合には、印紙額面の3倍に相当する過怠税がかかります。ただし、税務署長に対して「印紙税不納付事実申出書」を提出した場合の過怠税は印紙額面の1.1倍に軽減されます(税務調査を予知していない場合に限ります)。