アンカー記号を表示してクリップアートや画像と文書の"結合点"を確認する
じつは、クリップアートや画像は、「アンカー」と呼ばれる結合点で文書とつながっています(注)。「アンカー」とは「anchor(錨)」のことで、船が流されないように海中に沈めておく重りのことです。Word文書の場合、クリップアートや画像の最も近くにある段落にアンカーが設定され、そこで文書と結合されます。このため、アンカーのある段落を削除すると、そのアンカーとつながっているクリップアートや画像も、いっしょに削除されてしまうのです。これが奇妙な現象の"からくり"です。
(注)クリップアートや画像の「文字列の折り返し」が「行内」のときは「アンカー」は無関係です。「行内」のときは、クリップアートや画像は文字と同じように扱われ、前後の文字の増減によって位置が移動します。「アンカー」で文書とつながるのは、「文字列の折り返し」が「行内」以外の場合です。
ところが、初期設定ではアンカー記号が表示されないため、アンカーがどこにあるのかわかりません。このため、多くのユーザーはアンカーの存在に気づく機会がなく、クリップアートや画像がアンカーで文書と接続されているという事実を知らないのです。では、Word 2003でアンカー記号を常に表示させておく手順を紹介します。
1. [ツール]→[オプション]を選択して[オプション]ダイアログボックスを開きます。
[ツール]→[オプション]を選択して[オプション]ダイアログボックスを開きます |
2. [表示]タブを選択します。
3. [印刷レイアウト表示とWebレイアウト表示のオプション]で[アンカー記号]チェックボックスをオンにします。
4. [OK]ボタンをクリックします。
[表示]タブを選択したら、[印刷レイアウト表示とWebレイアウト表示のオプション]で[アンカー記号]チェックボックスをオンにして[OK]ボタンをクリックします |
5. 右上のクリップアートをクリックして選択します。
6. 「Wordとアンカー」という文章の段落左上に錨(イカリ)のマークが表示されます。これがアンカー記号です。
右上のクリップアートをクリックして選択すると、「Wordとアンカー」という文章の段落左端に錨(イカリ)のマークが表示されます。これがアンカー記号です |
先ほど「Wordとアンカー」という文章が入力されている段落全体を削除しましたが、じつは、その段落にはアンカーが設定されていたのです。段落とともにアンカーも削除されたため、その先にあったクリップアートもいっしょに消えてしまった、というわけです。
>アンカーの動きを確認してみる