売上機会を逃さないための「プレイス戦略 」

顧客との接点を増やすプレイス戦略は売上向上の鍵を握る

顧客との接点を増やすプレイス戦略は売上向上の鍵を握る

マーケティングでは、入念な市場調査を実施してターゲット顧客がどのような製品やサービスを望んでいるかというニーズを明らかにし、ニーズに基づいた製品開発や価格設定を行います。そして、製品が完成すれば、ターゲット顧客がよく利用するメディアを活用して、消費を喚起するメッセージを届けていくことになります。

ここでマーケティングの最終段階として重要なポイントが、いかにタイムリーに顧客の元に商品やサービスを届けていくかということです。プロモーションで購買意欲を刺激された消費者はその商品やサービスに対して欲しいという気持ちが高まりますが、実際に手に入れられる機会がなければ、その高まった気持ちもいずれ冷めてしまいます。

たとえば、テレビで素晴らしいパソコンのコマーシャルを目にして欲しいという気分が高まっても、実際に店舗やインターネットなどを通して購入できなければ、最悪の場合、検索して同じ機能を持ったライバル社の商品に流れることもあるでしょう。

このような顧客と直接接触を図る機会を探る戦略が「プレイス戦略」であり、企業は機会損失を避けるためにも慎重にプレイス戦略、すなわち流通網の構築を検討しなければいけません。

 

自社で流通網を構築するか?他社を利用するか?

流通網を整備する際には自社独自で構築するパターンと、他社がすでに築いている流通網を利用するパターンがあります。

■自社の場合
自社独自で流通網を整備する場合は、自社製品の流通をコントロールしやすいというメリットがある半面、全国規模で流通網を張り巡らせる場合などは、出店費用や毎月の維持費などかかる費用も莫大なものになります。加えて、事前の計画通りに売上が上がらない場合は撤退することになりますが、備品などの売却損や店舗の原状回復の費用など多大な損失を被る可能性も考えられます。特に自社独自で大きな流通網を展開する場合は、事前に入念な調査を行って、リスクを低減する形で戦略を実行に移していく必要があります。

■フランチャイズの場合
自社独自で流通網を拡大していく場合でも、直営で店舗網を拡大するのではなく、フランチャイズという形で店舗網を拡大していく戦略もあります。フランチャイズでは、実際に店舗を運営するフランチャイジーが出店費用を準備しますので、リスクを抑えて店舗網を大きく拡大することも可能になります。

■他社の場合
一方、他社がすでに築いている流通網を利用する場合は、自社の置かれた状況や自社製品の特性に応じていくつかの流通パターンから選択することができます。たとえば、大手メーカーであれば直接小売業者と取引を行って商品を流通させることができますし、一般的な消費財を生産するメーカーであれば卸売業者を通して小売店で販売する流通チャネルを利用できます。他社の流通網を利用する場合は、流通業者の規模やカバーする地域などを考慮に入れながら、適切な流通網を整備していく必要があります。

他社のすでに構築した流通網を利用するということで、プレイス戦略に対する初期投資は比較的少なくて済むというメリットがありますが、流通業者の希望に応じて自社製品が取り扱われ自社のコントロールが効きにくいデメリットもあります。

たとえば、コンビニエンスストアなどでは常に売れ筋の商品が陳列され、売れなければ新製品といえども1ヶ月足らずで商品棚から撤去され、自社がいかに販売継続を希望しても二度と同じ商品を棚に陳列する機会は巡ってこないのです。

自社独自で流通網を築く場合でも、他社の流通網を利用する場合でも、プレイス戦略は他のマーケティング戦略と違って、いったん構築すれば継続的な費用負担が発生し、急激な変化は大きな損失に繋がる可能性も高くなりますので、慎重に決定する必要があると言えるでしょう。