電話対応は必須スキル! 担当者不在時のマナーや伝言方法
電話対応の基本とは
<目次>
- 電話応対、電話の受け方の基本
- ケース別の電話応対の仕方
- 電話を取り次ぐ時の注意点
- 取り次ぐ相手が不在の時の対応、相手への伝え方
- 電話応対の用件の聞き方
- 電話応対の伝言メモのポイント
- 電話相手の用件が自分ではわからない場合
- ビジネスシーンで携帯電話を使う際のマナー
- 電話応対は会社の代表として相手と話すこと
電話応対、電話の受け方の基本
■声はワントーン高く
電話の声が暗くてボソボソしていると聞きづらく、頼りなく、不親切な印象を受けます。電話に出る時は、通常のトーンよりも少し高めの声が相手に聞きやすく届きます。腹式呼吸をして大きな声で元気よく出てください。また、話し中にメモを取れるように、電話の横にはいつもペンとメモ帳を用意しておいてください。
■3回以内に出る
電話が鳴ったら、コール3回以内に出ます。人は電話をかけた時、待ち時間が「11秒」を過ぎるとイライラしはじめる、という調査報告があります。11秒とは、ちょうど2コールを超えて3コールに入る時間。3回以上鳴ってから出る時は、
『大変お待たせしました。○○(社名)でございます』
と受けましょう。
■部署名まで名乗る
部や課の直通電話の場合は、
『はい、○○(社名)○○部(課)でございます』
と部署名まで言って出るのが正解。所属部署を言わなければ、○○部(課)にかけてきた得意先や取引先の担当者は、電話に出た人に『そちらは○○部(課)ですか?』と確認しなければならなくなります。
■相手が社名・氏名を名乗ったら「お世話になっております」と言う
たとえ初めて話す相手でも
『いつもお世話になっております』
と自分が会社を代表して挨拶するのがマナーです。
ケース別の電話応対の仕方
■相手が名乗らない場合『失礼ですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか』
『失礼でございますが、どちら様でいらっしゃいますか』
と相手の名前を確認しましょう。
■相手の声が聞き取れない場合
『申し訳ございません。お電話が少々遠いようでございます』
『申し訳ございません。お電話が少々遠いようですが……』
と、聞き取れないことを遠回しに伝えます。
■社名のみで名前を名乗らない場合
『株式会社○○のどちら様でいらっしゃいますか』
■名前しか名乗らない場合
『恐れ入りますが、どちらの△△(名前)様でいらっしゃいますか』
電話を取り次ぐ時の注意点
■取り次ぐ相手の名前を確認相手が『こちらこそお世話になっています。山田課長をお願いします』と名指ししたら、
『山田でございますね。かしこまりました』
と、こちらの取り次ぐ相手の名前を確認し、
『少々お待ちくださいませ』
と断ってから、電話機を「保留」状態にします。社外の相手に対しては、上司でも役職や敬称は省いて「山田」と謙譲表現を使います。役職名をつける場合には『課長の田中でございますね』というように言います。
■取り次ぐ相手にきちんと伝える
『山田課長、株式会社○○の△△様から×番にお電話が入っております』
と、会社名と名前を正確に伝えます。この時、山田課長が取り次いでも大丈夫かどうかを確認し、確実に取り次ぎます。
■取り次ぐ相手が電話中の場合
『ただいま、山田は他の電話に出ております。終わり次第こちらからお電話いたしますので、お電話番号をお聞かせいただけますでしょうか』
と、相手の電話番号を確認します。
取り次ぐ相手が不在の時の対応、相手への伝え方
不在の伝え方は、状況(社内にいるけれども席にいない、外出、社内会議中、欠勤、昼食に出かけているなど)によって多少異なります。■外出している場合
『申し訳ございません。あいにく山田は外出しております。午後5時30分頃、帰社予定でございます。戻りましたら、ご連絡いたしましょうか』
名指し人が電話に出られないことを会社を代表して謝り、現在の状況を伝えます。その上で、相手の意向(折り返し電話が必要か否か)を確認します。「昼食に出かけている」という状況は外出のバリエーションなので、そのまま応用できます。
『申し訳ございません。あいにく山田はお昼に出ております。午後1時半には戻ると思います。戻りましたら、ご連絡いたしましょうか(こちらからお電話を差し上げましょうか)』
遅刻などのトラブル時は、相手に遅刻していることをそのまま知らせる必要はありません。外出中と同じ対応をして、『午前11時頃、帰社予定でございます……』と出社の見込み時間を伝えましょう。
■社内会議の場合
『申し訳ございません。あいにくただいま会議中でございます。午後5時30分に終わる予定です。会議が終わりましたら、ご連絡いたしましょうか』
会議中なので出られないことを伝えます。これが基本の応対です。ただし、山田課長から「会議中でも電話は取り次いで」と聞いていれば、会議中であることを相手に告げる必要はありません。会議室に内線で連絡しましょう。
■接客中の場合
名指し人が接客中の場合は、訪ねてきたお客様が優先されます。緊急の場合以外は、
『申し訳ございません。あいにくただいま、来客中でございます。のちほどこちらからご連絡させていただきます』
と伝えましょう。緊急な用件の場合には、来訪者との会話を中断しないよう、タイミングを見計らって次のように取り次いでください。「お話し中、失礼いたします」と来訪者に断わりを入れ、来訪者に伝言内容を知られないよう、メモに書いて手渡します。
■トイレなどで席を外している場合
『ただ今、席を外しております』
と告げたうえで、
『いかがいたしましょうか』
『戻りましたら、ご連絡差し上げましょうか』
『のちほどこちらからおかけしましょうか』
など、相手の様子に応じて応対します。ここでは、トイレに行っている、給湯室に行っている、といった詳細を伝える必要はありません。ガイドも電話応対時に「すぐに戻ると思います」という返事を受けることがあります。しかし、「すぐ」「ちょっと」という時間の感覚は人によって異なります。
曖昧な言い方は避け、「5分程度で戻ります」というように、できるだけ具体的に答えましょう。相手がとても急いでいるようなら「わたくし○○がご用件を承りましょうか」という応対も必要です。この場合は、用件を聞き、伝言メモを書きます。
■欠勤の場合
欠勤の理由を相手に伝える必要はありません。
(折り返しの要不要を確認するパターン)
『あいにく、本日、山田は休んでおります。明日、出社しましたら、ご連絡いたしましょうか』
(伝言を受けるパターン)
『あいにく、本日、山田は休んでおります。よろしければ、ご用件を承りますが……』
この場合は、次でお伝えする伝言メモを書きます。これは「出張中の場合」も同じです。
『あいにく、山田は出張中でございます。来週月曜日、13日に出社の予定でございます。よろしければ、ご用件を承りますが……』
電話応対の用件の聞き方
名指し人が外出している場合、あるいは欠勤や出張中の場合、こちらが「ご用件を承ります」と申し出ます。相手が『それでは、お戻り後(出社後)、お電話くださるようお伝えください』
『それでは、伝言を残してください』
と言ったら、伝言メモが必要。電話をかけてきた相手の社名、氏名、伝言の内容をメモし、連絡先を尋ねます。
『かしこまりました。恐れ入りますが、念のためお電話番号をお願いします』
と尋ね、メモ用紙に書き込みます。「03-XXXX-XXXXです」と相手が告げれば、
『ありがとうございます。それでは復唱します。03-XXXX-XXXX株式会社○○の△△様でいらっしゃいますね。山田が戻りましたら(出社しましたら)確かに申し伝えます。わたくし、○○が承りました。お電話ありがとうございました』
と、伝言内容は必ず復唱しましょう。また、電話を受けた自分の名前を名乗ることで責任の所在を明らかにしましょう。そうすることで信頼が得られ、相手は安心します。
電話応対の伝言メモのポイント
正確に聞き取り、用件は整理してメモしましょう。下記が確実に名指し人に伝わるメモをつくる際のポイントです。1.5W3Hでメモする
When/Who/Where/What/Whyの5Wに、How/いくら(How much)/どのくらい(How many)の3H加えた「5W3H」でメモしましょう。具体的には、「いつ」「相手の会社名・部署名・名前」「電話を受けた自分の名前」「相手の用件」「何をする必要があるか(確認のみOR折り返し等)といったことです。
2.内容は必ず復唱する
ヒューマンエラー(言い間違い・聞き間違い)を避けるために復唱します。
3.文章ではなく、箇条書きで要点がわかるようにする
ダラダラとして文章は、大切な要点を見落とす可能性もあります。要点を箇条書きにして見やすく、わかりやすく書くことがポイントです。
4.メモの存在を口頭でも伝えることで確実性が増す
メモを机に置くまでではなく、その後口頭で確実に伝えるところまでが、あなたの仕事です。
5.メモの置き方は、会社のルールで
スケジュールボードの名前の横に磁石で留める、机の上にセロテープでとめておくなど会社のルールに則って行ってください。名指し人が先方に連絡するまでは、あなたの責任だということを自覚してください。会社によっては専用の伝言メモ用紙が用意されている場合もあるでしょう。伝言メモを支給していない会社なら、使いやすいフォーマットのメモ用紙を使うか、文具店には様々なタイプの伝言メモが販売されていますので、必要に応じて購入してください。
電話相手の用件が自分ではわからない場合
『誠に申し訳ございません。私ではわかりかねますので、ただいま、担当の者と代わります』と応対します。具体的な問い合わせの場合は、「誠に申し訳ございません。私ではわかりかねますので、お調べして折り返しお電話いたします」と、即答せずにワンクッション置きます。相手の名前、電話番号を尋ね、いったん電話を切り、上司と相談してからかけ直すようにしましょう。
落ち着いて誠実に電話応対すれば、その姿勢は相手に伝わります。電話応対にはある程度の「慣れ」が必要なので、積極的に電話を取るようにしてください。慣れてくれば、機転の利いた応対もできるようになりますよ。
ビジネスシーンで携帯電話を使う際のマナー
仕事の用件も携帯電話でやりとりすることも多いでしょう。その際に気をつけなくてはいけないのがやはりマナーです。
■大声での仕事電話は慎む
歩きながら携帯電話を耳に当て、大声でビジネスのやり取りをしている人をよく見かけます。また、飲食店の中で周囲の人に聞こえるような大きな声で、携帯電話を使って仕事の話をしている人にも遭遇します。
どちらも2つの点でマナー違反です。1つは周りの人の迷惑を顧みていないこと、もう1つは会社や仕事上の機密がもれる可能性があることです。前者は社会人としてのマナーですが、後者はビジネスパーソンとしてぜひ気をつけたいマナーです。
取引先や得意先、ライバル会社の人が近くにいて聞いていれば、あなたが何を話しているのかがわかるでしょう。「○○社の担当者がマヌケでさあ」「○○社は経営状態がよくないみたいです」といったように、具体的な社名を出して愚弄するようなことは絶対しないように。
■会議中や商談中はマナーモードに
会議中や商談中は、マナーモードやサイレントモードにしておくことがマナーです。また、相手が「電話に出てもかまいませんよ」と言わない限り、着信があっても電話には出ないのがマナーです。話している最中に電話に出ると、相手との話を中断させてしまうだけでなく、「礼儀に欠ける人」と低い評価をされてしまいかねません。
■時間帯を選ぶ
携帯電話であっても、かけていいのは基本的に相手の就業時間内です。通勤中であることが予想される時間も避けましょう。緊急事態ですぐに連絡を取らなければいけない場合以外は、メールで連絡をするか、翌日朝に連絡します。
■仕事中の私用電話は厳禁
仕事中にプライベートの電話をかけたり、メールやLINEをするのもNGです。就業時間はというのは、会社に労働を提供すると約束した時間ですから、個人的な用件を優先してはいけません。
■プライベートでも注意が必要
プライベートで携帯電話をかける際も、みだりに仕事内容を話さないようにします。相手が友人であっても、周りで聞いている人には会社や仕事の内容が筒抜けです。
電話応対は会社の代表として相手と話すこと
会社にかかってきた電話を受けたら、その人が会社を代表して話すことになります。電話は声を通じた会社の窓口です。顔は見えないため、意識が耳に集中するからでしょうか、話している相手の心理状態がストレートに伝わってきます。「誠実で丁寧」「親しみやすい」「やる気がなさそう」「どこか攻撃的」……。たった1本の電話がその会社の印象を決めてしまうこともあります。顔が見えないコミュニケーションだからこそ、マナーには細心の注意が必要です。【関連記事】